日産社長辞任へ 企業風土の刷新につなげよ

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 経営トップが2代続けて不祥事で退場に追い込まれた。異例の事態である。信頼回復に向け、企業統治(ガバナンス)の改革を急ぐべきだ。

 日産自動車は、西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)が16日付で辞任すると発表した。本来より約4700万円多い報酬を不当に受け取っていた。社内調査で明らかになり、取締役会が全員一致で早期の交代を求めた。

 経営者としての資質が疑われている以上、辞任は当然である。

 前会長のカルロス・ゴーン被告による不正を見抜けなかったとして、幹部として支えてきた西川氏の経営責任を問う声は強かった。完成車検査を巡る不正や業績低迷に加え、報酬問題が浮上した。

 木村康・取締役会議長は記者会見で「社内外含めた求心力という意味からすると、このタイミングが適切と判断した」と述べた。

 6月以降、取締役11人のうち過半の7人を社外取締役が占めている。外部の目を生かした新体制が一定のチェック機能を発揮し始めたとも言えよう。組織の自浄能力を高めていかねばならない。

 問題となったのは、株価に連動して報酬額が変わる「ストック・アプリシエーション・ライト(SAR)」と呼ばれる仕組みだ。

 事前に指定した権利行使日の株価が、ある時点より値上がりしていれば差額を金銭で受け取れる。西川氏の場合、株価上昇に合わせて本来の日付より1週間遅く行使したため、報酬が増えた。

 西川氏は日付操作への関与を否定したが、日産は、報酬の手続きを他人に任せていたことが社内規定に違反すると結論づけた。

 見過ごせないのは、元取締役2人、現・元執行役員4人で同様の報酬上乗せが発覚した点である。役員に甘い企業風土が根付いていたとみられても仕方なかろう。

 日産は主力の北米市場で販売がふるわず、2022年度までに1万人超の人員を減らす計画を立てている。組織の体質を変えなければ、痛みを強いられる従業員らの理解は得られまい。社長辞任を再生への契機にしてもらいたい。

 日産は後任の社長を10月末までに決める予定で、社外取締役らで構成する指名委員会が、社内外の候補者から絞り込む。

 経営の独立性を維持しながら、経営統合を求めるルノーとの関係を再構築する。激動する世界の自動車業界に精通し、改革を断行する実行力も併せ持つ。そうした人材を新社長に選べるかが、再生のカギを握るのではないか。

無断転載禁止
788796 0 社説 2019/09/11 05:00:00 2019/09/11 05:00:00

おすすめ記事

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ