基準地価回復 地方の活性化につなげたい

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 地価上昇が地方にも広がってきた。地域格差に目配りしながら、土地需要の回復を地方の活性化につなげたい。

 国土交通省が発表した7月1日時点の基準地価は、全ての用途の全国平均が2年連続で値上がりし、上昇率も拡大した。

 東京、大阪、名古屋の3大都市圏では、住宅地、商業地ともに値上がりが加速した。

 注目されるのは、地方圏の商業地が、28年ぶりに上昇に転じたことだ。札幌、仙台、広島、福岡の地方主要4都市の上昇率は、3大都市圏を上回った。各地の県庁所在地も地価の回復が目立つ。

 緩やかで安定的な地価上昇は、企業や家計の心理に好影響を与える。低迷が続く地方経済にとって明るい材料と言えよう。

 値上がりの要因は様々である。商業地では、大都市圏を中心に、企業業績の回復によりオフィス需要が高まっている。訪日外国人観光客の増加を受け、地方も含めて再開発が相次ぐ。店舗やホテルを作るための用地買収が活発だ。

 大都市の地価上昇の影響で、周辺地域で住宅需要が高まっている。JR三島駅に近く、都心に新幹線通勤が可能な静岡県長泉町は、福祉政策の充実なども奏功し、人口増加率が静岡県で一番だ。

 鳥取県日吉津村のように、独自の子育て世帯支援策を打ち出して転入者を増やし、地価の上昇につなげている自治体もある。

 それぞれの特性に応じた地域振興策を進めた成果だろう。

 気がかりなのは、依然として値下がりする地域が多いことだ。全調査地点のうち下落が48%を占め、33%の上昇を上回る。

 利便性の高い中心部とそれ以外の格差が広がる傾向にある。今後も二極化が進むとの見方が強い。各地域は、都市機能を集約した、効率的で暮らしやすい街づくりなどに知恵を絞るべきだ。

 日本銀行の金融緩和であふれたマネーの影響も気になる。超低金利の中、相対的に利回りの高い不動産に流れているとされる。

 日銀は4月に公表したリポートで、銀行の不動産業向け融資に一部、過熱感が出ているとの判断を示した。貸出残高は、バブル期を超えて最高水準にある。

 バブルの兆しは地方でも見られる。スキーリゾートのニセコで知られる北海道倶知安町や、訪日客が急増する那覇市では、上昇率が50%を超える地点があった。

 人気観光地では、外資による不動産取得も多いという。投機的な動きへの監視は怠れない。

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806406 0 社説 2019/09/21 05:00:00 2019/09/21 05:00:00

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