社会保障会議 将来不安解消へ幅広く論じよ

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 将来を見据え、誰もが安心して暮らせる社会をいかに築くか。多角的な視点から検討し、処方箋を示すべきである。

 政府は、少子高齢化への対応を話し合うため、新たに全世代型社会保障検討会議を発足させた。安倍首相が議長を務め、関係閣僚と有識者で構成する。

 首相は「人生100年時代の到来を見据えながら、改革をさらに検討していく」と語った。

 政府は来年の通常国会で、年金と介護保険制度を見直す関連法案を提出する。厚生労働省の社会保障審議会などで具体策を詰める。検討会議は、各審議会の議論を束ね、制度改正に向けた大きな方向性を提示するという。

 年金では、厚生年金の適用対象を広げることで、パートで働く女性らの加入を増やす制度改正が焦点だ。老後の暮らしを下支えする狙いがある。年金の受給開始時期について、選択の幅を広げることも課題となる。

 介護では、給付の対象となる範囲の見直しや、利用者負担の引き上げなどを議論する。

 制度の基盤を強化するうえで、いずれも大切な改革である。

 高齢者雇用に関して、70歳まで働ける環境整備を企業の努力義務とする法改正も検討する。

 注意が必要なのは、年金、医療、介護といった旧来の「社会保障」の枠にとらわれると、全体像を見失いかねないことだ。

 65歳以上の人口は2040年ごろにピークを迎える。現役世代は先細りする。厳しい条件下でも、社会の活力を保ち続けることが、日本に課せられた課題だ。

 意欲のある高齢者に長く働いてもらい、社会の支え手に回ってもらう。保育所の整備や育児休業の充実などを進めて、子育てしやすい環境を整える。

 全世代型社会保障を実現するための施策は、雇用や教育、地方自治など多岐にわたる。

 中長期的な改革の工程表を定めて、個々の施策の位置付けと効果を明確にすることが欠かせない。腰を据えて取り組むべきだ。

 子育てや介護に携わる現場の声をくみ上げ、議論に生かすことも検討する必要がある。

 議論の過程を国民に分かりやすく説明し、理解を促すのは検討会議の重要な責務だ。首相は、指導力を発揮してもらいたい。

 少子高齢化の克服は、与野党共通の課題だ。野党は、国会審議などを通じて、施策の問題点を指摘し、議論を深める建設的な役割を果たさねばならない。

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806407 0 社説 2019/09/21 05:00:00 2019/09/21 05:00:00

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