大学無償化 対象校は教育の質向上怠るな

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 家庭の経済状況にかかわりなく、意欲と能力のある若者に教育の機会を保障する。高等教育機関には制度の趣旨を踏まえた対応が求められる。

 来春から始まる高等教育無償化で、適用対象となる教育機関が決まった。低所得世帯の学生の授業料が減免され、返済のいらない給付型奨学金が支給される。

 大学・短大では97%の1000校余りが要件を満たし、文部科学省が対象校に認定した。結果として、申請校の全てが認められた。支援が必要な高校生に、選択肢を広く確保できたと言える。

 認定されなかったのは、申請を見送った私立の31校だ。認定要件には、直近3年で定員の8割以上の学生を確保し、収支が黒字であることが定められている。断念した大学には、こうした要件を満たせなかった所が含まれている。

 無償化の財源は、来月の消費増税分で賄う。税金を充てる以上、経営に問題のある教育機関が対象外となるのは当然だ。

 一方、専門学校で対象校と認定されたのは、62%に当たる約1700校だった。対象外となった学校の中には、「事務手続きの負担が大きい」といった理由で申請を見送った例もあるという。

 学校側の都合で、学生が修学支援を受けられる機会が失われたとすれば問題だ。今後は、誠実に対応しなければならない。

 対象校となった大学・短大や専門学校などに要請されるのは、教育の質の向上である。公費で学ぶ学生を預かる高等教育機関には、その能力を伸ばし、社会に送り出す責務がある。

 カリキュラムや指導法の改善を重ね、学生たちに、幅広い教養や専門知識、仕事に生かせるスキルなどをきちんと身に付けさせることが欠かせない。

 支援を受ける学生も、自覚を持って努力する必要がある。

 厳しい財政事情の中、無償化の対象は、真に支援が必要な低所得世帯の子供に絞られた。授業料減免では、最大で国公立は全額免除、私立では年間70万円が免除される。給付型奨学金は、生活費も含め最大約91万円が支給される。

 無償化制度では、成績不振が続いたり、出席率が著しく低かったりした場合、支援が打ち切られる仕組みになっている。学生は学業に励み、せっかくの修学機会をしっかり生かしてほしい。

 高校卒業後、大学には進学せず、就職する若者も少なくない。学生には同世代の働く納税者がいることを、忘れないでもらいたい。

無断転載禁止
807906 0 社説 2019/09/22 05:00:00 2019/09/22 05:00:00

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