韓国人客の減少 反日感情の広がりを懸念する

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 韓国政府が対日強硬策をアピールし、メディアやネットを通じて反日感情があおられる。日本旅行の自粛や日本製品の不買運動が韓国で拡大しているのは残念な事態だ。

 8月に日本を訪れた韓国人旅行者数は前年同月比で48%減と、ほぼ半減した。韓国人客への依存度が高い長崎県対馬市などでは地域経済への悪影響も出始めた。

 日韓の往来者数は近年、増加傾向にある。昨年は1000万人の大台に乗った。活発な民間交流には、両国政府間のあつれきを和らげる役割も期待される。交流が先細りしないか、気がかりだ。

 減少の原因は、韓国社会で反日感情が高まり、旅行を控えるムードが広がっていることにある。

 日本を観光中に撮った写真をインスタグラムなどのSNSで紹介するのは、はばかられる雰囲気だという。「旅行先を変えた」とアピールする投稿が目立つ。

 日本製品の不買運動も続く。日本産ビールの8月の輸入額は、1年前の実績の3%にまで激減した。カジュアル衣料品店「ユニクロ」も苦戦している。

 韓国ではこれまでも、日本との歴史問題で同様の不買運動が起きたが、長続きしなかった。今回のような盛り上がりは異例だ。

 「反日」を愛国心の証しとするような空気が生まれ、同調圧力が働いているのだろう。

 文在寅大統領の責任は、極めて重い。日本の輸出管理厳格化について、徴用工問題を巡る「経済報復」であるとし、「日本政府が過去の過ちを認めず、歴史を歪曲わいきょくしている」と強調した。

 「日本は韓国の経済成長を妨げようとしている」などと、対立を煽る主張も繰り返している。

 韓国国民には、主力産業である半導体が狙われた、との反発が広がった。歴史問題に加え、生活に響く経済問題に焦点が当たり、より幅広い層の関心を集めた。

 韓国政府は、東京五輪にも紛糾の種を持ち込もうとしている。国際オリンピック委員会(IOC)に、会場での旭日きょくじつの使用を禁止するよう要請した。

 旭日旗は、旧日本軍が使用し、現在は自衛隊旗や自衛艦旗として用いられている。大漁旗など、日本社会でもなじみが深い。

 韓国は「日本の侵略による苦痛を想起させる」と主張する。歴史問題の蒸し返しを図っているのではないか。文政権は、こうした姿勢が日韓両国民の相手国に対する感情を悪化させ、民間交流をしゅくさせることを認識すべきだ。

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807907 0 社説 2019/09/22 05:00:00 2019/09/22 05:00:00

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