米軍駐留経費 適切な分担へ冷静な協議を

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 米軍の駐留経費について、同盟国に負担増を求める動きが顕在化している。政府は日米の信頼関係を踏まえつつ、冷静に協議していくべきだ。

 米国が、国防総省の予算をメキシコ国境との壁の増設に転用することを決めた。在日米軍基地の施設整備に関する約430億円の予算も含まれている。

 不法移民の流入を阻止するための壁の建設は、トランプ米政権の目玉公約だ。予算の転用は、議会の承認を経ずに、壁の建設費を確保する狙いだろう。

 日本政府と十分に調整せずに、米国が公表した。同盟国に対する配慮に欠けていないか。

 米政府は、削減した基地の整備費をどう確保するか、各国と協議するという。日本は内容を精査し、慎重に対処せねばならない。

 気がかりなのは、転用される予算に、米領グアムの施設建設費が含まれていることである。

 日米両政府は、沖縄県に駐留する米海兵隊1万9000人のうち、4000人をグアムに、5000人を米本土などに移転することで合意している。2020年代前半に始まる予定だ。

 グアムの整備が滞れば、海兵隊の移転に遅れが生じよう。計画通りに行われるよう、政府は米国と真摯しんしに話し合う必要がある。

 日米間では、駐留経費の負担に関する特別協定(思いやり予算)の期限が21年3月末に切れる。同盟国に負担増を求めるトランプ政権の方針が、改定交渉に波及することを懸念する声が出ている。

 政府は19年度予算で、駐留経費や米軍再編の負担などで総額7500億円を計上している。このうち、思いやり予算は1600億円で、米軍施設で働く人の労務費や光熱費などである。

 日本には、70以上の施設に5万人の米軍兵力が駐留する。同盟の根幹であり、日本の安全を確保する上で欠かせない。

 米軍の活動に必要な経費を日本が負担するのは当然だ。だが、日本の負担割合は8割前後に及び、他の受け入れ国より高い。

 日本が基地を提供することで、米国はアジア・太平洋からインド洋に及ぶ地域で、安全保障上、優位な立場を維持している。経済的利益にもつながっている。

 政府はこうした事実を米側に粘り強く伝え、戦略的に交渉していくことが大切だ。

 安全保障関連法で可能になった自衛隊の米軍への協力を通じて、米軍の負担軽減を図っていくことも重要となろう。

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809063 0 社説 2019/09/23 05:00:00 2019/09/23 05:00:00

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