大学ランキング 一喜一憂せず研究力の向上を

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 世界の大学ランキングに注目が集まっている。日本の大学は順位に一喜一憂することなく、研究力を高める地道な努力を続けるべきだろう。

 英国の教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」が今年の世界大学ランキングを発表した。上位200位に中国本土の大学が7校、香港も5校入ったのに対し、日本は36位の東大と65位の京大だけだった。

 トップ10は、1位の英オックスフォード大に続き、米カリフォルニア工科大、英ケンブリッジ大、米スタンフォード大など、すべて英米の名門が占める。

 このランキングは、研究力や教育環境のほか、論文の引用数、外国人教員や留学生の比率といったデータを組み合わせて算出される。研究分野のウェートが高く、世界的な研究拠点となっている英米の大学が上位に入りやすい。

 英メディアによる、英米の大学のための格付けという構図が見える。それでも、各国の有力大学がこれを無視できないのは、世界中の研究者や学生が勤務先や進学先を選ぶ際、ランキングを参考にすることが増えているためだ。

 特に、英語圏の有力大学への留学を目指す中国人学生が増え、大学の財政面でも、留学生獲得の重要性が増した。厳しいグローバル競争に直面する大学は、順位を上げ、ブランド力を高める必要に迫られていると言えよう。

 政府は2013年の「日本再興戦略」で、「今後10年間でランキングトップ100に10校以上を入れる」という数値目標を定めた。ランキングは分かりやすいが、順位そのものが目標になってしまっては本末転倒である。

 大切なのは、ランキングに表れた日本の大学の弱点をきちんと直視し、改善を図ることだ。

 日本の大学は、特に論文の引用数を示す指標が低迷し、世界に後れをとっている。研究力の地盤沈下は明らかだ。中国の大学は近年、論文の数だけではなく質も高まっていると評価されている。

 国と大学は、研究環境の整備や若手の育成などを通じて、各国の研究者に引用される重要な論文を、日本から数多く発信できるようにする必要がある。

 無論、大学の役割は研究にとどまらない。幅広い教育で次代を担う市民を育てる。地域の産業を支える人材を輩出する。様々な貢献が期待されており、一つのランキングにとらわれる必要はない。

 各大学が特色に応じたレベルアップを目指すことが重要だ。

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810195 0 社説 2019/09/24 05:00:00 2019/09/24 05:00:00

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