イラン情勢 緊張緩和へ対話の糸口を探れ

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 世界各国の首脳が集う国連総会で、米国とイランの対立に改めて焦点が当てられた。緊張が続く事態を収拾するには、両国が意思疎通を図り、対話の糸口を探ることが重要だ。

 トランプ米大統領が国連総会で演説し、イランが「暴力的で理不尽な敵対行為を激化させてきた」と非難した。「全ての国に行動する責務がある」と述べ、各国にイランへの圧力強化を求めた。

 サウジアラビアの石油関連施設が今月中旬に攻撃された事件で、サウジや米国はイランが関与したと断じている。英仏独の首脳も共同声明を発表し、「イランの責任は明らかだ」と指摘した。

 イランが一貫して関与を否定するなか、国連は専門家をサウジに派遣し、真相究明を進めている。イランへの圧力に慎重だった英仏独が米国に同調する姿勢に転じたのは、関与を裏付ける一定の証拠を得られたからではないか。

 安倍首相もイランのロハニ大統領との会談で、「イエメンの反政府武装勢力による攻撃」との見方について、「疑う指摘が数多く出ている」と懸念を示した。2015年のイラン核合意に違反する措置を控えることも強く求めた。

 イラン指導部は、国際社会の不信が高まり、孤立が進みつつある現実を直視すべきだ。地域大国として、情勢を沈静化させる責務を忘れてはならない。首相が要請したホルムズ海峡での航行の安全確保は信頼回復の一歩となろう。

 首相は6月にイランを訪問し、最高指導者のハメネイ師とも会談している。良好な関係を生かし、緊張緩和を促す役割を引き続き果たしてもらいたい。

 問題を深刻にしているのは、「反米」を国是とするイランと米国の不信の根深さだ。

 イランはここ数年、イエメンやシリアの内戦に、自国が支援する武装勢力を通じて介入し、中東での影響力を拡大してきた。核合意で核計画は制限されたが、弾道ミサイルの開発を進めている。

 こうした動きが、敵対するサウジやイスラエルの警戒感を高め、米国との対立激化につながった。地域を不安定化させる行動を、イランは自制すべきである。

 フランスのマクロン大統領は、ロハニ師との会談で、「核問題に加え、ミサイル開発を含む中東の安全保障に関する交渉を受け入れるべきだ」と呼びかけた。

 米国もイランも、戦争は望んでいないと強調する。ならば、対話の窓口を開き、偶発的な衝突を避ける手立てを講じるべきだ。

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813992 0 社説 2019/09/26 05:00:00 2019/09/26 05:00:00

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