「置き配」の普及 利用者の不安を払拭できるか

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 消費者が安心して利便性を実感できるサービスとすることが大切だ。

 宅配業者が配達物を手渡さず、玄関先などに置いて済ませる「置き配」が広がりつつある。

 インターネット通販大手のアマゾンジャパンや楽天、「ゆうパック」などを展開する日本郵便は、配送方法に「置き配」を選べるサービスを導入している。不在時の再配達の削減が目的だ。

 ネット通販の拡大で、2017年度の宅配便取扱量は42億個を超えた。一人暮らしや共働き世帯の多い都市部では、再配達率が18%に及ぶ。政府は20年度に全国で13%程度に減らす目標を掲げる。

 国土交通省の試算では、再配達率が約20%の時、余計にかかる労働力は、年間でドライバー約9万人分に相当する。再配達による人件費や輸送費のコストは大きい。効率化は喫緊の課題だ。

 アマゾンは10月、人口約11万人の岐阜県多治見市で「置き配」の実証実験を行う。希望すれば対面の受け渡しも行うが、原則として消費者が玄関先や自転車のかごなどを置き場所に指定する。

 配達員は在宅・不在にかかわらず、指定場所に荷物を届け、利用者に写真を送信する。

 荷物の盗難や破損などの事故はないか。再配達の連絡や配達を待つ手間が省けることで、消費者の利便性は向上するか。再配達率は下がるのか。普及に向けた課題を検証することが重要である。

 国民の間には、トラブルへの不安が依然として強い。

 国交省の調査では「置き配」を「利用したことがない」「利用してみたいと思わない」との回答が6割を超えた。盗難への不安を理由に挙げる人が多かった。

 配達票に記載された個人情報が見られることへの懸念もある。ヤマト運輸や佐川急便は対面での受け渡しを重視する立場から、「置き配」の導入は見送っている。

 利用者の不安の払拭ふっしょくには、事業者の適切な対応が欠かせない。

 アマゾンは荷物が盗まれた時は原則として補償するとしている。利用条件は事業者ごとに異なる。消費者は「置き配」を選ぶ際、トラブル時の対応も確認し、納得した上で申し込む必要があろう。

 コンビニエンスストアや駅の宅配ボックスなど自宅外で受け取れる場所は増えている。

 スマートフォンやパソコンで、配送状況の確認や配達先の変更を行えるサービスもある。荷物の重要度や生活スタイルに応じ、選択肢を使い分けたい。

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818556 0 社説 2019/09/29 05:00:00 2019/09/29 05:00:00

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