進む法曹離れ 司法の基盤が揺らぎかねない

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 司法は三権の一角を担う。その先細りが懸念される状況である。

 司法試験の合格者数の減少傾向が続いている。今年の合格者は1502人で4年連続の減少だ。政府が目標に掲げる「1500人」をかろうじてクリアしたにすぎない。

 受験者にいたっては4466人で8年前の半分である。ここ数年、毎年700人~1000人単位で減っているのは深刻だ。

 このまま、法曹離れに歯止めがかからなければ、国民に対する司法サービスの低下を招く。司法の基盤が揺らぎかねない。

 最大の原因は、法科大学院を中核とする法曹養成制度がうまく機能していないことである。

 74校が乱立した法科大学院の多くは、十分に合格者を輩出できなかった。これまでに廃止や、学生の募集停止の表明に追い込まれた大学院は39校を数える。

 一方で、法科大学院を修了しなくても司法試験の受験資格を得られる予備試験を経て、法曹を目指す人が目立つ。法科大学院で実践的な教育を行い、即戦力を育てるシステムの空洞化は明らかだ。

 政府は、大学法学部3年と法科大学院2年の計5年で修了できる「法曹コース」を設けることで打開を図る方針だ。法科大学院在学中の司法試験受験も可能にし、現在より約2年早く、受験資格を得られるようにするという。

 時間の短縮で、学費など学生の負担が軽減する面はあろう。ただ、法曹コースを作っても、法科大学院修了者の合格率が現在の29%から大きく改善しなければ、法曹離れは食い止められまい。

 法曹コースについては、47大学が開設の意向を示しているが、かつて法科大学院を開設しながら撤退したところも含まれる。大学と、連携する法科大学院は法律家を育てるカリキュラムを整備し、教育内容を充実させねばならない。

 司法制度改革が目指した、多様な人材の活用も進んでいない。

 社会人経験者で法科大学院に入学する人は少ない。司法試験合格率の低迷が続いているため、思い切って挑戦する決心がつかない人もいることだろう。

 新たなビジネスの創出やグローバル化の進展で、司法が必要とされる分野は広がっている。様々なバックグラウンドを持つ人が法律家になる意義は大きい。

 社会人が仕事を続けながら勉強できる夜間コースの拡充や通信制の導入を、政府は検討してはどうか。補助教員を手厚くするなど法科大学院も努力してほしい。

無断転載禁止
818557 0 社説 2019/09/29 05:00:00 2019/09/29 05:00:00

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