中国建国70年 強権統治で発展が続くのか

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 強権的な統治を続けていけば、国際社会の圧力と国内の不満が高まり、経済成長の停滞や社会の不安定化を招くのではないか。中国の習近平政権は重大な岐路に立っている。

 中国が1日、建国70年を迎えた。過去最大規模の軍事パレードが行われ、米本土を射程に収める大陸間弾道ミサイルが登場した。

 習近平国家主席は「いかなる勢力も我が祖国の偉大な地位を揺るがすことはできない」と述べた。国力増大を自賛し、米国の圧力強化への反発を示したのだろう。

 米中対立は貿易から安全保障、先端技術へと広がる。自由貿易を阻害するトランプ米大統領の手法に問題はあるが、中国が国際ルールを守らないことへの危機感は、多くの国が共有する。

 外国企業への技術移転の強要や知的財産の窃取は、その代表例だ。中国は国際社会の懸念の払拭ふっしょくに努めなければならない。

 建国の父、毛沢東による計画経済が破綻した後、トウ小平は40年前に市場経済を導入した。中国は最貧国レベルから世界2位の経済大国へと発展を遂げた。

 日米などは「中国が豊かになれば民主化に向かう」とみて支援したが、期待は裏切られた。

 共産党の一党支配は続き、経済成長率を上回る軍事費の膨張で軍拡が進む。南シナ海の軍事拠点化は地域を不安定化させた。

 中国当局が人工知能(AI)を活用し、国内の少数民族や反体制的な活動家の監視、弾圧を強めていることも看過できない。

 顔認証システムなど先端技術を駆使した監視体制は「デジタル独裁主義」と呼ばれる。中国が支援する新興・途上国にも浸透している。人権や言論の自由への侵害が広がることを懸念する。

 香港では中国支配に反対するデモが続く。民意をくみ取らない手法の限界ではないか。

 共産党政権が求心力とする経済成長は鈍化している。国家主導による過剰投資が巨額の債務を生み、政府や企業を圧迫する。人件費上昇や、一人っ子政策で進んだ少子高齢化への対応も課題だ。

 経済戦略の見直しが急務である。国有企業への補助金支給を通じた産業振興は、公正な競争をゆがめ、外国との対立を招く。民間企業の活力や市場原理を重視し、構造改革を着実に実行すべきだ。

 日本は来春、習氏を初めて国賓として迎える。日中関係改善の機運を生かし、中国が国際協調を重視して大国としての責任を果たすよう促さねばならない。

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823495 0 社説 2019/10/02 05:00:00 2019/10/02 05:00:00

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