北ミサイル発射 脅威の高まりは看過できない

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 北朝鮮のミサイルによる威嚇が続く。日本の安全保障環境を悪化させる事態だ。深刻に受け止める必要がある。

 北朝鮮が弾道ミサイルを発射した。ミサイルは、日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとみられる。

 国連安全保障理事会の決議に反しており、民間の船舶などが被害を受ける恐れもあった。政府が北朝鮮に抗議したのは当然だ。

 安倍首相は北朝鮮を非難するとともに、「国民の安全を守るために万全を期す」と表明した。警戒態勢を強めねばならない。

 韓国軍は、発射されたミサイルについて、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星」系列だと推定した。高度約900キロに達し、約450キロ飛んだ。

 通常角度より高い角度で打ち上げる「ロフテッド軌道」であるとみられ、通常軌道ならば、さらに飛距離は伸びる。

 SLBMとすれば、2016年8月以来だ。発射の兆候をつかむのが難しく、北朝鮮の奇襲能力を高める。地上の拠点を攻撃された場合の反撃手段ともなる。

 政府は米国と連携して、潜水艦の開発状況やミサイルの能力の分析を急がねばならない。

 韓国は、対日関係の悪化を踏まえ、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めたが、今回、日本に情報提供を要請した。協定は11月に失効する。文在寅政権は安保環境を直視し、破棄を撤回すべきではないか。

 北朝鮮は、非核化に関する米国との実務者協議を開催すると発表したばかりだ。軍事力の向上を誇示し、交渉を有利に進めようという思惑も透けて見える。

 非核化措置を小出しにして、その都度見返りを求めるのが北朝鮮の常とう手段だ。北朝鮮の駆け引きに惑わされてはならない。

 米韓合同軍事演習への反発を理由に、北朝鮮は7月以降、ミサイル発射を繰り返してきた。

 変則的な軌道を描き、迎撃されにくい新型ミサイルを含む。核弾頭の運搬手段が多様化していることを意味する。脅威の高まりは、到底看過できない。

 トランプ米大統領が、短距離弾道ミサイルの発射を問題視しない発言を繰り返し、北朝鮮を増長させた面は否めまい。

 米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)を廃棄するだけでは、北朝鮮の核の脅威は残る。

 日米韓は認識をそろえ、短中距離を含むすべての弾道ミサイルの放棄を求めるべきである。

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825571 0 社説 2019/10/03 05:00:00 2019/10/03 05:00:00

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