所信表明演説 活力ある日本引き継ぐ戦略を

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 新たな時代を展望し、建設的な国会論戦を展開しなければならない。

 臨時国会が開会した。現行憲法下で、200回目の国会となる。

 国会審議の形骸化が指摘されて久しい。国政全般を論じ、国の針路を定める。与野党は、重責を改めて自覚してもらいたい。

 安倍首相は、所信表明演説で「誇りある日本を創り上げ、次の世代へと引き渡していく」と決意を表明した。「最大の挑戦」と首相が指摘したのは、急速に進む少子高齢化への対応である。

 2040年ごろ、3人に1人が65歳以上になると見込まれる。社会の活力を維持するには、少子化に歯止めをかけるとともに、意欲ある高齢者や女性が働きやすい環境を整えることが欠かせない。

 首相は演説で、年金、医療、介護、労働の各分野の改革を進めると語った。具体策として、70歳までの就業機会の確保や厚生年金の適用範囲の拡大を挙げた。政策の優先順位をつけて、戦略的に取り組む必要がある。

 大切なのは、改革の全体像を分かりやすく示すことである。個々の施策の位置付けや工程表を明確にすれば、課題や改善すべき点が見えやすくなる。

 野党も危機的な状況にあることを認識し、本質的な議論を深めることが重要だ。活発な審議を通じ、国民の理解も広がるだろう。

 演説では、地方創生を施策の柱の一つに据えた。人口流出に苦慮する自治体は少なくない。

 市町村の枠にとらわれず、広域で企業誘致や産業振興などを進めることが欠かせない。地方を活性化する方策について、踏み込んで論じるべきである。

 政府は、日米の新たな貿易協定の承認案を提出する。相手国に一方的に譲歩を迫る米国と交渉し、関税の引き下げ幅を、環太平洋経済連携協定(TPP)の範囲に収めた点は評価できる。

 自由貿易の維持は、各国共通の利益である。首相は演説で「自由貿易の旗手として、自由で公正なルールに基づく経済圏を、世界へと広げていく」と強調した。

 日中韓やインドなどによる東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉について、早期合意を目指さねばならない。

 首相は憲法について「新しい国創り」の道しるべと位置付けた。「しっかりと議論し、国民への責任を果たそう」と呼びかけた。

 最高法規のあり方について不断に論じるという、立法府の原点に立ち返るべきである。

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829990 0 社説 2019/10/05 05:00:00 2019/10/05 05:00:00

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