代表質問 現実的な政策論議を進めよ

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 中長期の課題をいかに解決していくか。与野党は、大所高所から論じなければならない。

 安倍首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が始まった。約3か月半ぶりとなる本格的な国会論戦である。

 立憲民主党の枝野代表は、関西電力の幹部が、高浜原子力発電所が立地する福井県高浜町の元助役から多額の金品を受け取っていた問題を取り上げた。「原発政策の根幹にかかわる」と述べ、政府による調査を求めた。

 首相は、関電が第三者委員会による調査を始めたことを踏まえ、「徹底的に全容を解明することが不可欠だ」と強調した。

 原発は安定的な電力供給を支える基幹電源であり、関電の行いは事業への不信を招きかねない。電力政策を担う経済産業省の監督責任は重い。実態解明と再発防止を徹底させることが大切である。

 首相は、原発政策の信頼回復に向けて指導力を発揮すべきだ。

 枝野氏は、消費税率の10%への引き上げについて「消費が回復していない中、著しく問題だ」と批判した。キャッシュレス決済に適用するポイント還元に参加する事業者が少ないとも指摘した。

 首相は「制度のさらなる周知を図る」と述べた。

 消費税は、増え続ける社会保障費用を賄うための安定財源だ。高齢者を含め、国民が広く負担する消費税率の引き上げは、公平性の観点からも妥当と言えよう。

 疑問なのは、枝野氏が消費増税の代替として、法人税や所得税の課税強化を求めたことだ。

 経済や金融の国際化が進む中、多くの国が法人税を引き下げた。日本が増税すれば、企業は海外に拠点を移す恐れがある。所得税の課税強化は、働く意欲をそぎ、社会の活力を低下させないか。

 責任野党を掲げるならば、分配に偏らず、経済を成長させる現実的な方策を考えるべきだ。

 枝野氏は、非正規労働者への厚生年金の適用拡大について、具体策の提示を求めた。首相は「年末までに検討する」と述べた。政府は社会保障制度改革の検討状況について可能な限り説明し、充実した審議につなげねばならない。

 大島衆院議長は青森県での会合で、憲法改正手続きを定めた国民投票法改正案の結論を出すよう求めた。野党は「中立性を欠く」と反発し、本会議開会が遅れた。

 議長が法案審議を促しても、問題とは言えまい。与野党は、衆参の憲法審査会で冷静な議論を速やかに始める必要がある。

無断転載禁止
834685 0 社説 2019/10/08 05:00:00 2019/10/08 05:00:00

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

 


東京オリンピックパラリンピックオフィシャル新聞パートナー

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
The Japan News
発言小町
OTEKOMACHI
ささっとー
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ