関電会長辞任 外部の目で疑惑の徹底解明を

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 経営陣の辞任だけでは問題の解決につながらない。疑惑の徹底的な解明が急務である。

 高浜原子力発電所が立地する福井県高浜町の元助役から多額の金品を受領した問題で、関西電力の八木誠会長が辞任した。岩根茂樹社長も辞意を示し、電力大手でつくる電気事業連合会の会長を辞任する。

 八木会長は当初、続投に意欲を示していたが、政府や筆頭株主の大阪市などから、厳しい批判が相次いだ。9日の記者会見で八木会長は「様々な社会の声を真摯しんしに受け止めた」と語った。引責辞任に追い込まれたと言える。

 八木会長は公益企業の幹部でありながら、金貨など859万円相当を受領した。問題発覚後も情報開示に消極的な姿勢が目立った。こうした経営者の下で、関電が自浄作用を働かせるのには限界があるということだろう。

 関電は、元検事総長の但木敬一氏をトップとする第三者委員会を設けた。原発以外の部門や子会社なども調査し、年内にも報告書をまとめるという。

 これまでの社内調査は、対象が主に原発部門の経営幹部や社員にとどまり、元助役と関係が深く多額の原発関連工事を受注していた建設会社側からの聞き取りはしていない。金品の受領の確認も2006年以降に限っていた。

 極めて不十分な内容だ。外部の目で今一度、事実関係を調べ直し、問題点を洗い出す必要がある。

 関電の幹部の中には、建設会社から直接、金品の提供を受けていた人もいる。元助役と関係の深い建設会社には、「特命発注」として、他の会社と競争させることなく工事が発注されていた。

 ある元幹部は「金品の受領は20年以上前からあった」と証言している。同じ福井県内の大飯原発に勤務していた元幹部の金品受領も新たに判明した。

 関電を巡る癒着構造と、不透明な資金の流れを解明しない限り、信頼回復は望めない。

 関電は「金品を一時的に預かった」と釈明してきたが、国税当局の査察後に、元助役に対して金品の返却を本格化した幹部が多い。1億円を超す金品を受領した元副社長は、査察前は2800万円の返却にとどまっていた。

 仮に国税の査察がなければ、元助役との関係を正すことはできなかったのではないか。

 経営の中枢を担ってきた役員らが金品を受領していた事実も深刻だ。組織の再建には、経営幹部に不退転の決意が求められる。

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838203 0 社説 2019/10/10 05:00:00 2019/10/10 05:00:00

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