公立病院再編 地域の実情踏まえ検討を急げ

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 地域医療を支える病院の質を保ちつつ、効率化を図ることが大切だ。

 厚生労働省が、再編や統合の検討が必要と判断した全国424の公立・公的病院名を公表した。

 がんや救急など地域に欠かせない医療の診療実績が少ない病院が対象だ。近隣に類似の病院があるケースも含めた。

 医療体制を効率化し、医療費に歯止めをかけるのが目的だ。

 自治体の多くは住民の反発を恐れて、病院の再編に二の足を踏んできた。厚労省が対象を名指ししたのは議論を促す狙いだろう。

 2025年には団塊の世代がすべて75歳以上になり、医療費が膨らむ。病院の再編は急務だ。

 公立病院の経営は厳しく、6割は赤字だ。自治体財政の観点からも、見直しは避けられまい。

 厚労省は都道府県や市町村、医療機関などで作る地域医療構想調整会議で検討し、来年9月までに結論を出すよう求めている。

 再編の形態には様々な選択肢がある。近隣の病院と連携し、重い病気を治療する機能を縮小する。患者が少ない診療科は減らし、足りない医療を充実させる。

 それぞれの地域のニーズを踏まえた検討が必要だ。地域の医療拠点を維持するためにも、機能を集約し、過剰な病床や診療科を見直すことが欠かせない。

 無論、僻地へきち医療など公的病院が引き続き担うべき役割は大きい。本当に必要な医療は守ることも原則としたい。民間病院とのすみ分けも考慮すべきだ。

 長寿化に伴い、生活習慣病など慢性疾患が増えている。手術に対応する急性期病床を減らし、リハビリを行う回復期病床を増やす。「治す医療」から「生活を支える医療」への転換が求められる。

 在宅医療を含めて、地域医療を提供する体制を総合的に考えることが重要である。

 奈良県では、県が主導して公立の3病院の機能を再編した。全体で切れ目のない医療を提供できるようになり、病床の利用率は上がった。症例が増え、研修機能が向上したため、若手医師が集まりやすくなったという。

 こうした事例も参考に、各地域で検討を加速してもらいたい。

 政府は、働き方改革の一環で、24年度から勤務医についても、残業時間の上限規制を設ける。

 再編により複数の医師による診療体制を整えれば、長時間労働の是正につながる。地方の病院が医師を確保するには、労働条件の改善も視野に入れねばならない。

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843283 0 社説 2019/10/13 05:00:00 2019/10/13 05:00:00

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