連合結成30年 待遇改善へ謙虚に取り組め

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 働く人の暮らしの向上に、いかに貢献していくか。労働組合を束ねる組織の原点に立ち返ることが求められよう。

 連合が定期大会を開いて、神津里季生会長の続投を決めた。3期目に入る。神津氏は記者会見で、連合が来月、結成30年を迎えることについて「いろいろあっても、まとまりを強固にしてきた意義は大きい」と述べた。

 安倍内閣は消費の活性化を目指し、賃上げを経済界に求めてきた。多様な人材の活躍を促す働き方改革にも取り組む。政府主導で労働環境の改善が進み、連合の求心力の低下が指摘されている。

 連合は政府・与党と建設的な関係を築き、労働側の主張を伝え、施策に反映する必要がある。神津氏は傘下の組合を統率し、指導力を発揮しなければならない。

 1989年、旧社会党系の「総評」と、旧民社党系の「同盟」の流れをくむ民間労組などが合流し、連合は発足した。「労働者の生活改善」を掲げ、非自民勢力による政権交代を目指した。

 93年の非自民党系8党派による細川連立政権や、2009年の民主党政権の誕生は、連合の後押しが大きかったと言えよう。

 だが、17年の民進党の分裂で、旧総評系は立憲民主党の支持に回った。旧同盟系の電力総連などは「原発ゼロ」を訴える立民党に反発し、国民民主党を支持する。

 連合は今後2年間の運動方針で、支持政党を明確にしなかった。これまでは民主党や民進党の支持を打ち出していたが、労組間の対立で見送ったのだろう。

 神津氏は、立民、国民両党に野党勢力の結集を求めている。

 だが、政治的な活動に注力するあまり、労働条件の改善や雇用の確保といった連合が担うべき役割がおろそかになってはなるまい。働く人の待遇改善に向けて、謙虚に取り組むことが大切だ。

 連合の組織力は低下している。発足当時26%だった労組加入者の割合は、昨年17%と過去最低を更新した。パートや派遣、契約社員など非正規労働者の要望を丁寧に吸い上げ、組合加入を進める取り組みが必要となろう。

 働き方改革関連法の施行で、来年4月から中小企業にも残業時間の上限規制が課せられる。正社員と非正規の不合理な格差を解消する同一労働同一賃金も始まる。制度の円滑な実施に向けて、連合は協力すべきである。

 働き方の多様化に機敏に対応し、国民から共感を得られる活動を展開することが欠かせない。

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855165 0 社説 2019/10/21 05:00:00 2019/10/21 05:00:00

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