月探査計画参加 得意技術で国際開発に貢献を

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 将来、日本の宇宙飛行士が月面に立つ時代が来るかもしれない。

 政府は、2024年に月面有人探査を目指す米国の計画に参加することを決めた。月周回軌道を回る宇宙基地「ゲートウェイ」を建設し、ここを拠点に飛行士が月面に着陸する構想だ。

 近年、月に水が存在する可能性が高まり、各国が注目している。中国は独自に無人探査機の月面着陸を成功させた。今回の日本の参加表明には、月を目指す国際的な流れに乗り遅れないようにする意味合いがあろう。

 月探査では、米国が1960年代からのアポロ計画で12人の宇宙飛行士を月面に送り込んだ。当時は、宇宙を巡るソ連との覇権争いという側面が強かった。

 冷戦後は、日米欧、カナダに加えてロシアも参加する共同開発の時代に入った。90年代に建設が始まった国際宇宙ステーション(ISS)は、各国の飛行士が常駐できる。これまでに7人の日本人飛行士が長期滞在した。

 今回の月面探査計画には欧州も加わる見通しだ。日本の参加は、これまでに築かれてきた国際協調の枠組みを維持、発展させるうえで意義が大きいと言える。

 大切なのは、日本が培ってきた技術や研究成果を今後の月面探査に生かしていくことである。

 日本の無人補給船「こうのとり」はISSに安定して物資を輸送し続けてきた。無人探査機「はやぶさ2」は、小惑星の狙った地点にピンポイントで着陸する技術を持つ。これらを月着陸船の開発に役立てることが期待される。

 日本がISSに建造した実験棟「きぼう」では、無重力の宇宙で人間や動物の骨や筋肉にどんな影響が出るか、研究が重ねられてきた。宇宙での長期滞在で参考になり得る知見だろう。

 トヨタ自動車は、宇宙航空研究開発機構と共同で月面探査車の開発に着手している。民間の力の積極的な活用が望まれる。

 今後の課題は、国際的な費用分担だ。日本の宇宙開発予算には限りがある。過度な負担を背負うことのないよう、政府は米国などと協議していくべきである。

 米国では、宇宙開発は時の政権の意向に左右されてきた。有人探査の目標とされる24年は、トランプ大統領が再選された場合の任期の最終盤になる。長期的な見通しは不透明な面もある。

 計画の行方にかかわらず、日本として、宇宙開発に関するノウハウの着実な獲得に努めたい。

無断転載禁止
857365 0 社説 2019/10/22 05:00:00 2019/10/22 05:00:00

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