改正入管法半年 新制度を生かす態勢整えたい

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 外国人就労を拡大する新制度の出足が鈍い。課題を洗い出し、早急に手を打たねばならない。

 改正出入国管理・難民認定法が施行されて半年が経過した。

 新しい在留資格「特定技能」を得た外国人は、9月末時点で400人弱にとどまる。最大4万7550人とした初年度の受け入れ見込み数の1%に満たない。

 出入国在留管理庁によると、資格を申請した人は2000人以上に上る。だが、認定に時間を要しているのが実情だ。

 申請には雇用契約書や履歴書など約20種類の書類が必要で、記載の不備や漏れで再提出になるケースが相次いでいるという。

 不法就労を防ぐために厳格に審査するのは当然とはいえ、手続きが煩雑すぎないか。現状を放置すれば、企業が制度の利用をためらう要因にもなりかねない。

 政府は書類を簡略化し、審査時間の短縮を図る必要がある。

 受け入れ企業を手助けする登録支援機関には、行政書士など2000以上の団体・個人が認定されている。外国人と企業のパイプ役となることが期待されよう。

 相手先の態勢が整っていないという事情もある。

 フィリピン政府は特定技能に対応した新たな制度を設ける方針で、その法整備に時間がかかっているという。すでに現地で介護の技能試験も行われたが、合格者の出国は認められていない。

 ベトナムでは労働者を送り出す業者の選定が遅れており、現地での試験も実施されていない。

 途上国支援を目的とした技能実習制度では、悪質業者が介入し、労働者が多額の借金を背負って来日するケースが問題となった。

 新制度では労働者の搾取を招かないようにするため、各国政府が慎重に対応しているのだろう。

 政府は各国と情報を共有し、準備を後押しすることが欠かせない。覚書を締結していない中国やタイとの交渉も急ぐべきだ。出入国在留管理庁は、外務省などと連携することが重要である。

 気がかりなのは、新制度に対して様子見を決め込む国内企業が少なくないことだ。特定技能は日本人と同等以上の給与が義務づけられ、転職も可能だ。受け入れ費用の見通しが立ちにくいことが懸念材料となっている。

 人手不足がより深刻になる中、即戦力となる外国人材を安定的に確保する意味は重い。政府は、制度の意義や内容を周知し、積極的な活用を呼びかけるべきだ。

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857369 0 社説 2019/10/22 05:00:00 2019/10/22 05:00:00

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