即位の礼 伝統儀式の挙行を祝いたい

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 天皇陛下が即位を内外に宣言される「即位礼せい殿でんの儀」が、皇居・宮殿で行われた。一連の皇位継承の中心をなす伝統儀式が挙行されたことを心よりお祝いしたい。

 陛下は高御座たかみくらと呼ばれる壇に昇られ、「国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たす」と誓われた。

 即位の儀式は千数百年前に始まったとされる。陛下は伝統を受け継ぎつつ、国民主権の憲法の下で、国民の幸せを希求する姿勢を改めて示されたと言えよう。

 儀式には、180超の国や国際機関の代表者を含む約2000人が参列した。予定されていたパレード「祝賀御列おんれつの儀」は来月10日に延期された。台風被害を考慮した政府の判断は妥当である。

 今回の即位礼は、憲法で定める国事行為として、皇室典範の規定により行われたものだ。象徴天皇制を定めた憲法下では、平成に続き2度目となる。

 戦前の昭和天皇の即位礼では、当時の首相が中庭まで降りて天皇を仰ぎ見ながら万歳を発声した。これに対し、安倍首相はこの日、陛下と同じ殿上に立ち、お祝いの寿詞よごとを述べ、万歳三唱した。

 今回、憲法の国民主権との整合性を取った平成の即位礼の内容を踏襲したのは理解できる。

 夜には、即位を祝福する「饗宴きょうえんの儀」が皇居・宮殿で開かれ、陛下は海外の賓客らと丁寧に言葉を交わし、謝意を伝えられた。皇室にとって、貴重な国際親善の場となったことだろう。

 オランダは、平成の即位礼の際には先代の女王の参列を見送ったが、今回はアレクサンダー国王が来日した。上皇さまや陛下が先の大戦で敵国だったオランダの王室と交流を深められたことが、国王の参列につながった。

 即位礼正殿の儀に使われた高御座や皇后さまが昇られた帳台ちょうだいは、装束や道具と合わせて後日、一般公開される。皇室が守り伝えてきた伝統と文化に国民が触れるきっかけになるのではないか。

 陛下が即位されてから、半年近くが経過した。天皇、皇后両陛下が着実に公務をこなされているのは喜ばしいことである。

 陛下は6月の全国植樹祭で、「皆さんとご一緒に」と丁寧な表現で語りかけられた。親しみやすさを感じる国民も多いだろう。

 新たな時代にふさわしい象徴像を追い求められる陛下と、歩みを共にしていきたい。

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858717 0 社説 2019/10/23 05:00:00 2019/10/23 05:00:00

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