元徴用工問題 文政権は国家間の約束を守れ

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 韓国政府が、元徴用工の問題で対応策を取る。それが日韓関係を正常化する第一歩である。

 安倍首相が韓国の李洛淵首相と会談した。

 安倍首相は元徴用工への賠償を日本企業に命じた韓国最高裁の判決について「日韓関係の法的基盤を崩す」と批判し、韓国側に対処を求めた。李氏は「両国が知恵を集めて難関を克服していける」と述べ、平行線をたどった。

 文在寅大統領は李氏を通じて安倍首相に親書を送った。「懸案が早期に解決するよう努力しよう」という趣旨が書かれていた。

 日本企業が不利益を被らないよう、善後策を講じる責任は韓国政府にこそある。日本にも譲歩を求めるかのような文政権の姿勢は受け入れられない。

 日本企業の資産が強制的に売却される事態になれば、日韓関係のさらなる悪化は避けられまい。

 日韓請求権・経済協力協定は、請求権問題の「完全かつ最終的解決」を確認している。韓国の歴代政権も、元徴用工の請求権が協定の対象であると認めてきた。

 ところが、文氏は2017年の大統領就任以来、徴用工を日本の植民地支配の被害者に位置づけ、名誉回復と補償の問題は未解決だと強調してきた。最高裁判決も是認し、事態を放置した。支持基盤の左派層を意識したのだろう。

 ここにきて、日本と対話する姿勢を示した背景には、韓国国内の事情がある。北朝鮮との関係は停滞している。米中の貿易摩擦のあおりを受けて、経済成長は鈍化した。対日関係の改善を求める経済界の声は強まっている。

 対日関係の改善を促す米政府への配慮も働いた。

 韓国政府は8月、対日関係の悪化を踏まえて、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄する方針を決めた。11月下旬に失効する予定だ。

 北朝鮮は、弾道ミサイルの発射を繰り返しており、脅威は高まっている。トランプ米政権は、日米韓の安全保障協力を維持する観点から、韓国に対して、方針の再考を促している。

 文政権は、米側の意向も踏まえ、方針を撤回すべきである。

 輸出管理制度も日韓間の懸案となっている。日本政府が、輸出手続き簡略化の優遇を受けられる対象国から韓国を除外したことについて、韓国は反発している。

 日本の措置は、輸出管理制度や運用に不十分な点があることが理由だ。日韓間で冷静に話し合うことが求められる。

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862889 0 社説 2019/10/25 05:00:00 2019/10/25 04:19:22

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