経産相辞任 規範意識の欠如が目に余る

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 政治に携わる者として規範意識を欠いていた。辞任はやむを得ない。

 菅原一秀経済産業相が自らの政治とカネの問題で辞任した。野党は、菅原氏の説明が不十分な場合、国会審議を拒否する構えを見せていた。事実上の更迭である。

 安倍首相は「任命責任は私にある。深くおわびする」と述べた。新内閣の発足から1か月半で重要閣僚が辞めるのは、痛手だろう。襟を正して政権運営にあたり、信頼の回復に努める必要がある。

 辞任の引き金となったのは、週刊文春の報道である。菅原氏の公設秘書が今月17日、地元の東京都練馬区内で行われた支援者の通夜に出席し、2万円が入った香典袋を手渡した、と報じた。

 公職選挙法は、政治家が選挙区内の有権者に寄付することを原則禁じている。本人が弔問して香典を持参することは、社会通念上やむを得ないとして認めているが、秘書が渡した場合は違法だ。

 菅原氏は、秘書が香典を渡した事実を認めた。翌日の葬儀には自ら出席し、再び香典を渡したという。その後、一つは遺族から返還された、と釈明した。

 国会では、菅原氏が十数年前、カニやメロンなどを有権者に送った疑いがあるとして、野党の追及を受けている最中だった。

 事実であれば、順法精神の欠如は明らかである。秘書に対する管理能力も問われる。

 菅原氏は辞任理由について「私の問題で国会が停滞するのは本意ではない」と述べた。これで幕引きとせず、自らの疑惑について説明責任を果たすべきだ。

 電力政策を担う経産相は、関西電力の幹部が巨額の金品を受領していた問題を究明し、再発防止を徹底させる立場にある。自らが疑惑を抱えたまま、職務を全うするのは難しかったと言えよう。

 安倍内閣では、松島みどり元法相が自らの似顔絵の入ったうちわを地元で配り、辞任した。国民民主党の玉木代表は昨年、香典の支出のあり方が問題視された。

 議員は国民の疑惑を招かないよう、公選法の趣旨を踏まえ、公正な政治活動に努めねばならない。政治資金の透明性を高め、適切に運用することも大切だ。

 後任の経産相には梶山弘志・元地方創生相が就任した。

 原子力発電所の再稼働や再生可能エネルギーの普及を進め、安定的な電力供給体制を構築する必要がある。日米貿易交渉で積み残された自動車の関税問題にも、精力的に取り組まねばならない。

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865096 0 社説 2019/10/26 05:00:00 2019/10/26 05:00:00

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