参院埼玉補選 低投票率を重く受け止めよ

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 政党が存在感を発揮できず、異例の低投票率を招いた。深刻に受け止めなければならない。

 参院埼玉選挙区の補欠選挙で、上田清司・前埼玉県知事がNHKから国民を守る党の立花孝志党首を破り、初当選した。補選は、知事に転身した前参院議員の辞職に伴うものだ。

 上田氏は、知事を4期務め、財政再建や犯罪の防止などに取り組んだ。一定の実績を上げていたことが評価されたのだろう。

 選挙に際して「憲法は時代に合わせて改正していくべきだ」と述べている。国会での憲法論議に積極的に加わってもらいたい。

 危機的なのは、投票率が20・81%と戦後の国政選挙で4番目に低かったことだ。2割前後にとどまったのは二十数年ぶりである。

 自民党と主要な野党が事実上、上田氏を支援したため、与野党対決の構図とならなかった。政策論争も低調で、選挙戦が盛り上がりを欠いたのは否めない。

 自民党は自主投票で臨んだ。上田氏の知名度が高く、勝てる候補がいなかったという。

 上田氏の任期は2022年までだ。自民党が候補を擁立すれば、3年後の参院選で自民、公明の2人の現職と競合する可能性がある。そうした事態を避ける狙いもあった。選挙で政策を訴えるより、党内事情を優先したのだろう。

 立憲民主党などは、上田氏が「完全無所属」を標榜ひょうぼうしたため、推薦を見送った。共産党は野党共闘を優先し、自主投票とした。

 埼玉県選挙管理委員会は、県を題材にした映画などを活用して投票を呼びかけたが、奏功したとは言えない。台風の影響で、多くの期日前投票所が一時閉鎖されたことも影響していよう。

 近年、各種選挙での投票率は低落傾向にある。7月の参院選挙区選の投票率は5割を切った。

 若者を中心に、政治に対する無関心が広がっている。有権者が投票所に足を運び、自分たちの代表を選ぶ。そうした議会制民主主義の根幹が揺らぎかねない。

 大学や駅などに期日前投票所を設置し、投票しやすい環境を整える。若者への主権者教育を充実させる。政府と自治体は地道な取り組みを重ねていくべきだ。

 立花氏は、夏の参院比例選で当選したが、補選に出馬し、自動失職した。地方選挙を含め、今後も出馬を続けるつもりだという。

 立花氏は物議を醸す発言が目立つ。対立をあおり、注目を集めようとする手法では、党勢拡大は難しいのではないか。

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869832 0 社説 2019/10/29 05:00:00 2019/10/29 05:00:00

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