人口減と自治体 身近な行政維持する方策探れ

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 人口減社会でも、暮らしを支える行政サービスを維持する。市町村は、その体制整備を急がなければならない。

 政府の地方制度調査会が、市町村の合併を支援する合併特例法の延長を求める答申をまとめた。政府は、来年3月までの期限を10年延長する改正案を通常国会に提出する。

 財政基盤を安定させ、必要な施策を進めていくうえで、合併は有力な選択肢と言えよう。合併特例法の延長は妥当だ。

 1999年からの「平成の大合併」で、国は財政上の手厚い優遇措置を設けて、市町村を合併に誘導した。全国に3232あった市町村は、ほぼ半減した。

 2010年度以降は、手続きを円滑化する措置にとどめ、自主的な合併を促している。

 合併により総務や広報部門などの人員削減につながり、技師や栄養士、防災の専門職員を配置しやすくなった。利用できる公共施設が増えたという評価もある。

 一方、市街地から外れた周辺部の意見が行政に届きにくくなったとの指摘や、地域の祭りや行事の継承を危ぶむ声もある。住民の不安を和らげるため、政府は自治体を後押しするべきだ。

 市町村を取り巻く状況は、今後深刻さを増していく。

 人口1万人未満の小規模自治体は512あり、全体の3割を占める。40年ごろには630以上に増えると推計される。

 首都圏も人口減に直面する。埼玉や千葉では15年に比べて、人口が20%以上減る市町村もある。

 道路や橋など交通インフラの維持、福祉や教育、災害対応など市町村が担う施策は多い。各市町村がすべてのサービスを提供するのは無理があろう。

 調査会は、必要な行政サービスを維持する方策として、合併のほか、市町村間の広域連携や都道府県による補完を提案した。

 人口見通しや地理的条件を踏まえ、それぞれの市町村が具体策を探ることが大切だ。

 人口20万人以上の都市を中心に近隣市町村が参加する「連携中枢都市圏」(圏域)は、すでに32地域で組織され、公共施設の相互利用などを進めている。

 奈良県では、市町村から委託を受けて、道路の維持管理を担っている。医療や消防でも県が調整役を担う。山間部が多く、合併が進まなかった事情もある。

 政府は、自治体が最適な方法を選択できるよう、制度を整えていくことが欠かせない。

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880939 0 社説 2019/11/05 05:00:00 2019/11/05 05:00:00

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