企業中間決算 難局の今こそ攻めの姿勢を

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 世界経済の低迷が企業業績の足かせとなっている。この難局をどう乗り切るか、経営者の手腕が問われよう。

 東京証券取引所に上場する企業の2019年9月中間決算の発表がピークを越えた。金融と電気・ガスを除く1部上場企業全体では、最終利益は前年同期を1~2割程度下回りそうだ。中間期での減益は3年ぶりとなる。

 中国・アジアの景気減速に加え、英国の欧州連合(EU)離脱問題の迷走に伴う円高・ユーロ安などが影響したのだろう。

 建設や小売りをはじめ非製造業の業績は総じて底堅いが、日本経済の屋台骨を支える製造業がふるわないのは、心配である。

 例えば、建設機械大手のコマツは、中国などでの売り上げ不振で最終利益が3割近く落ち込んだ。工作機械のファナックは利益が半減した。中国企業の生産活動が鈍っていることがうかがえる。

 中国経済は頼みの内需が力強さを欠き、10月以降も改善の兆しがあまり見られない。このため、20年3月期の通期決算も、状況は大きく変わらないようだ。

 最終利益の通期予想を下方修正した製造業の企業は200社を超え、業種別では機械、電機、自動車の基幹産業で目立つ。下請けや孫請けなど産業の裾野が広いだけに業績立て直しが急がれる。

 当面は、コスト削減や事業の再構築、顧客ニーズに合った需要の掘り起こしといった地道な取り組みを続けることが大切だ。

 覇権を争う米中の対立は長期化が避けられない。海外に進出する企業は、それを前提とした、サプライチェーン(部品の供給網)の見直しも必要だろう。

 ただ、「守り」の姿勢を貫くだけでは、中長期的に成長していくのは難しいのではないか。

 日本電産は、中間期で大幅減益だったが、電気自動車向けモーターが好調だとして研究開発などに約300億円を投資する。

 スマートフォン向け画像センサーの需要が伸びているソニーは、約1000億円かけて、長崎県に新工場を建設するという。

 厳しい環境の中でも、生産設備や研究開発に積極投資する企業が出てきたのは明るい材料である。全体でみれば、企業の利益水準は依然高く、内部留保は多い。「攻め」の経営姿勢を期待したい。

 人材の育成も重要な課題と言えよう。社員の研修強化や資格の取得支援などが求められる。余力のある企業は、賃上げで従業員の就業意欲を高めてもらいたい。

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896093 0 社説 2019/11/13 05:00:00 2019/11/13 05:00:00

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