選挙ミス急増 「1票」の重みを肝に銘じよ

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 選挙は民主主義の根幹である。自治体職員は1票の重みを忘れず、職務を遂行すべきだ。

 選挙事務を巡るミスが急増していることが、読売新聞の情報公開請求などで明らかになった。この20年余りの間に参院選で11倍、衆院選で6倍、統一地方選で10倍近くになった。

 選挙区選と比例選の投票用紙を誤交付するなど、単純ミスが目立つ。職員が寝坊して投票開始が遅れたケースもあった。緊張感を欠いているのではないか。

 公職選挙法違反などの事件に発展したケースもある。高松市や仙台市青葉区の職員らが、参院選や衆院選で白票を水増しした。

 今年4月の千葉市議選では、白票を減らす不正が見つかった。

 投票総数と、選管が集計した票数が食い違ったため、つじつま合わせをしたという。選挙結果をゆがめる悪質な行為が繰り返されているのは看過できない。

 ミスや不正の背景には、市区町村職員の大幅な減少がある。行財政改革や団塊世代の退職で、1995年の約155万人から2016年は約124万人になった。

 投開票作業の「司令塔」となる選挙管理委員会の職員には専門知識や経験が求められる。しかし、人手不足で他部署と兼任になり、人材が育ちにくくなっている。

 選挙制度の変更も一因だ。参院選に非拘束名簿式比例代表制が導入され、集計が複雑になった。

 投票時間の延長や期日前投票の実施で作業量は増えた。

 このため、記号式投票を採用した地方選もある。投票用紙の候補者名の欄に丸印を付ける方法で、開票時間の短縮につながろう。

 肝心なのは、職員教育を強化し、選挙事務が極めて重要であるとの意識を徹底させることだ。

 国や自治体も対策に乗り出している。総務省は今年6月、選挙事務に精通した選管OBらが自治体の選管職員を指導する制度を創設した。どれだけ多くの自治体を巡回し、経験を伝えることができるかが課題である。

 選管に限らず全職員を対象とした研修や模擬訓練、他の自治体との協力などを検討すべきだ。

 選挙がある自治体に職員を派遣すれば、実地で経験を積める。国や都道府県が連携の仕組み作りを主導することが大切である。

 小さなミスでも積み重なれば、選挙に対する有権者の信頼が揺らぎかねない。それが、投票率を一段と低下させる恐れもある。各自治体は、ミスや不正の防止に万全を期さねばならない。

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896094 0 社説 2019/11/13 05:00:00 2019/11/13 05:00:00

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