停電対策 早期復旧の態勢作りを急げ

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 災害後の生活再建に電気は欠かせない。停電が長引いた教訓を生かし、早期復旧の態勢作りを急がねばならない。

 台風15号による千葉県の大規模停電について、経済産業省の有識者会議が対応策に関する中間整理案を公表した。多くの反省点が示されており、着実に今後の改善につなげるべきだ。

 最大の問題は、復旧の遅れである。経産省によると、99%の復旧までに約12日間を要した。昨年9月の台風21号に伴う近畿地方の停電に比べ2倍以上かかった。

 復旧の見通しが何度も変更されたことも、混乱を助長した。

 その要因について中間整理案は、東京電力が被害状況の把握に手間取ったことを挙げた。

 対策として、カメラ付きドローンなどを使い、点検を効率化するとした。情報収集が難しい場合でも、過去のデータや衛星画像、人工知能(AI)を駆使して復旧見通しを立てられるようにする。早期実現を目指してもらいたい。

 電力会社と自治体、自衛隊の連携が不十分だった面も否めない。東電は、停電を招いた倒木の撤去などを自衛隊に求めたが、当初は千葉県を通じて要請したため時間がかかった。直接やり取りするよう改めると、作業が早まった。

 あらかじめ情報伝達の手順を決め、訓練しておきたい。

 電源車の配備でも課題が浮き彫りになった。病院や避難所など重要施設で使われるだけに、的確に活用することが大切である。

 ところが、他の電力会社から派遣された約170台の稼働率は、ピーク時でも60%程度にとどまった。東電側の受け入れ態勢が、整っていなかったためだ。

 電源車の位置とニーズのある場所を、一元的に把握できる仕組みを作らねばならない。中間整理案は、全地球測位システム(GPS)による運用などを提言した。

 電力会社ごとに電源車の仕様などが異なり、使用を妨げているとの指摘がある。設備復旧に必要な工具や部品、手法が違い、応援要員の作業は滞りがちだという。

 大きな災害の際には、電力会社間の協力が求められる。仕様の統一が課題となろう。

 停電を防ぐには、電柱や鉄塔などの強靱きょうじん化や、電線を地中に埋める無電柱化が重要になる。だが、多額のコストと時間がかかる。

 電気を使う側も、自家発電設備を強化するなど、できる限り備えることが望ましい。政府や自治体は、停電対策への助成を拡充するなど、支援策を検討すべきだ。

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897833 0 社説 2019/11/14 05:00:00 2019/11/14 05:00:00

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