GDP減速 実効性ある施策で景気支えよ

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 底堅い景気を維持できるか、難しい局面に入った。政府は厳しい財政事情の中、実効性のある経済対策を練るべきだ。

 2019年7~9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比0・1%増、年率換算で0・2%増となった。4四半期連続のプラス成長となったが、前期からは大きく減速した。

 小幅なプラスを確保したのは、米中貿易摩擦などによる外需の不振を、内需が補ったからだ。

 輸出は0・7%減少した。自動車や電子部品が振るわなかった。GDP統計で輸出に含まれる訪日外国人客の消費が、日韓関係の悪化などで減ったことも響いた。

 一方で、内需の柱の個人消費は0・4%伸びた。テレビやパソコン、化粧品などで、消費税率引き上げ前の駆け込み需要が出た。

 設備投資も0・9%増と堅調だった。人手不足対応の合理化・省力化投資を行う企業が多い。

 ただ、10月以降の内需の動向には注意をしなければならない。

 「街角景気」を示す10月の景気ウォッチャー調査で、判断指数が大幅に下落した。駆け込み購入のあった家電量販店や百貨店などで、悪化が目立つという。

 設備投資も盤石ではない。先行指標となる機械受注は、7~9月期に3・5%減った。製造業を中心に企業業績に陰りが見える。

 10~12月期にはGDPがマイナス成長になるとの予測もある。

 安倍首相は経済対策の策定を指示した。相次ぐ台風被害を受けた災害対策や経済減速リスクへの対応などを打ち出す。12月上旬に取りまとめ、19年度補正予算と20年度当初予算を一体で編成する。

 景気の腰折れを防ぐため、対策を講じる狙いは理解できる。

 問題はその中身だ。災害復旧は重要だが、野放図な予算の拡大は避けたい。19年度当初予算は初めて100兆円を超え、20年度はさらに膨らむ恐れがある。対策に不要不急の事業が紛れ込んでいないか、精査しなければならない。

 景気の下支え策として、中小企業の生産性向上や農林水産業の輸出支援などを挙げているが、従来の施策を焼き直した印象が否めない。これまで何が足りなかったか、しっかり検証してもらいたい。

 キャッシュレス決済へのポイント還元制度の効果も、見極めるべきだ。対象外の小売企業や店舗への悪影響を含め注視したい。

 消費を喚起していくには、将来不安の緩和が求められる。国民が安心できる社会保障制度の改革を進める必要がある。

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899861 0 社説 2019/11/15 05:00:00 2019/11/15 05:00:00

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