サイバー攻撃 知見を集め五輪の備え万全に

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 国民生活に深く関わる重要インフラに障害が起きれば、混乱は計り知れない。サイバー攻撃への備えを急ぎたい。

 政府が、来年の東京五輪・パラリンピックでのサイバー攻撃を想定した演習を行った。電力や情報通信など14分野の事業者のほか、自治体や各省庁から過去最大の5000人が参加した。

 来夏の開会式直前にサイバー攻撃があり、停電や通信障害が発生した、との設定で、情報共有や復旧の手順を確認した。

 昨年の平昌冬季五輪では、大会の準備期間に6億件、大会期間中に550万件の攻撃があった。開会式ではWi―Fiなど様々なシステムに障害が起きた。

 東京五輪でも、日本のイメージダウンを狙った攻撃や、愉快犯による嫌がらせなどが懸念されよう。大会や関係者の情報を不正に入手することや、偽サイトを利用してチケットの代金を詐取するといった犯罪も起こり得る。

 様々な攻撃を前提に、防御策を構築することが欠かせない。専門人材を配置するとともに、システムや端末の安全対策の強化にも取り組まねばならない。

 あらゆるモノがインターネットにつながるIoT社会を迎える。利便性が高まった一方、攻撃にさらされるリスクが増大した。

 国境を超えたサイバー攻撃は、選挙への干渉や防衛システムへの攻撃といった国家の安全保障に関わる問題から、金銭の窃取を狙った犯罪まで、多岐にわたる。

 新たな脅威への対処は、国が取り組むべき課題の一つだ。

 政府は今春、自治体や重要インフラ事業者とともにサイバーセキュリティ協議会を設置した。

 内閣サイバーセキュリティセンターを司令塔に、攻撃の手口や対処法などの情報を幅広く共有し、被害の拡大を防ぐ手立てを戦略的に講じていく必要がある。

 自衛隊のサイバー防衛隊は、各部隊の情報通信網の防御を担っている。民間のシステムの防護にも積極的に協力すべきだろう。

 企業の対策も急務である。日米両国の通信会社やIT関連企業約140社が、サイバー対策に関する覚書を結んだ。攻撃を受けた際の情報を、自動的に共有する仕組みをつくるという。

 サイバー攻撃によって情報漏えいなどが発生すれば、企業の信頼を損なうことになる。危機感を持って取り組むことが大切だ。

 サイバー空間の安全確保に向けて、政府と民間の知見を結集しなければならない。

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899862 0 社説 2019/11/15 05:00:00 2019/11/15 05:00:00

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