保釈後の逃走 検察は何度失態を重ねるのか

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 一体、検察は何度、失態を繰り返すのか。

 大阪地検が、保釈を取り消された被告を収容しようとして、逃走を許した。約10日間で2回もである。いずれも身柄は確保したが、ゆゆしき事態と言える。

 6月に神奈川県で、刑務所への収容を免れようとした男が刃物を持って逃走する事件が起きたばかりだ。8月には最高検が全国の検察庁に再発防止策を求めていた。緊張感の欠如が甚だしい。

 再発防止策では、収容マニュアルや装備品を整備することになっていた。大阪地検は検討を進めていたというが、言い訳にもならない。対応にスピード感を欠いていたのは明らかである。

 大阪府岸和田市では、被告の女が息子の車で逃走した。地検は女が庁舎の外に出る際、検察事務官4人を同行させたが、事務官は女の後についていくだけで、女が車に乗り込むのを防げなかった。

 東大阪市では、検察事務官3人が男をワゴン車で護送中に逃げられた。「手錠がきつい」と言われ、手錠を外すと男が暴れ出し、制止を振り切られた。車のドアも、内側から開けられなくするロックがかけられていなかった。

 気が緩んでいたというほかない。甘い対処は、逃走を想定していなかったことの表れだ。

 逃走を許した後の大阪地検の対応にも問題が多い。地検は岸和田市に逃走を連絡せず、公表も発生から5時間後だった。

 東大阪のケースでは、男が乗った可能性のある車が大阪市内で見つかったのに、市に連絡しなかった。このため、大阪市内の学校では、子供たちの登校の見守りを増員することができなかった。

 6月の逃走事件の際、横浜地検小田原支部から地元自治体への連絡が遅れ、批判を浴びた。教訓が生かされなかったことを、検察は深刻に受け止めねばならない。

 検察は、被告の収容業務を検察事務官に担わせている。ただ、事務官は警察官と違い、身柄を取り押さえる専門的訓練を十分には受けていないのが実情だ。

 被告が暴力団関係者らであれば警察官に同行を依頼している。今後は、警察官の協力を積極的に求める必要があるだろう。

 全国の地裁に保釈を認められた被告は昨年1万4814人で、2008年より約5000人増える一方、保釈を取り消される被告も10年前の5倍近い。被告の収容業務の重要性は増している。

 検察は組織をあげて対策を点検し、逃走防止を徹底すべきだ。

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902901 0 社説 2019/11/17 05:00:00 2019/11/17 05:00:00

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