離島防衛 自衛隊の統合運用を着実に

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 陸海空の3自衛隊が、離島防衛を想定した大規模な訓練を鹿児島県・種子島などで実施した。中国の独善的な行動を牽制けんせいする狙いがあろう。

 沖縄県の尖閣諸島周辺では、中国公船による領海侵入が繰り返されている。政府は昨年1年間で、延べ70隻の侵入を確認した。今年は既に100隻を超えている。威圧的な活動は看過できない。

 九州・沖縄地方には2500超の島がある。防衛省は、領土を守る態勢を整え、抑止力の向上に努める必要がある。

 重要なのは、3自衛隊の統合運用を着実に進めていくことだ。

 訓練には、自衛隊員1500人が参加した。離島に他国の軍や武装集団が上陸した、との設定で行われた。海自最大の護衛艦「かが」が指揮を執り、陸自の隊員は水陸両用車などで島に上陸した。空自の任務は警戒である。

 離島防衛には、海路や空路による隊員の輸送や物資の補給が欠かせない。上陸した部隊を、空と海から援護する必要もある。各部隊は指揮系統を整理し、迅速な情報共有を図らねばならない。

 安全保障関連法の施行により、自衛隊と米軍は、平時から実戦的な訓練を行うようになった。引き続き練度の向上に努め、南西諸島防衛での日米協力を深化させることが欠かせない。

 中国軍の艦艇は、沖縄本島と宮古島間の約300キロにわたる海域で頻繁に活動している。米軍の太平洋での作戦行動を阻止するための「接近阻止・領域拒否(A2AD)」戦略の一環だろう。

 南西諸島は、沖縄本島と与那国島にしか陸自部隊がなく、安全保障上の「空白地帯」と呼ばれてきた。計画的に自衛隊を配備し、即応性を高めることが重要だ。

 陸自は、奄美大島と宮古島に駐屯地を開設した。警備隊やミサイル部隊を常駐させる方針だ。南西諸島の重要な拠点となる。

 宮古島では、ミサイルに必要な火薬庫を整備する方針だが、地元には反発がある。安全性を確保し、整備の必要性を丁寧に説明していくことが求められる。

 離島奪還作戦を担うため、長崎県の駐屯地に設置された水陸機動団は、部隊の移動手段と想定する輸送機オスプレイの配備地が決まっていない。防衛省は、配備に向けた調整を急ぐべきだ。

 中国は、人工知能を搭載した無人機を開発している。攻撃の様相が変わるとの指摘がある。自衛隊は、兵器の進化にも的確に対処しなければならない。

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903903 0 社説 2019/11/18 05:00:00 2019/11/18 05:00:00

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