フレイル健診 早期把握で健康寿命延ばそう

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 お年寄りの心身の衰えを早期に把握し、改善を図ることが大切だ。

 厚生労働省が来年度から、75歳以上の後期高齢者を対象にした「フレイル健診」を導入する。

 フレイルとは、筋力などの身体機能が低下し、心身ともに弱ってきた状態を指す。介護が必要となる手前の段階だ。75歳以上で大きく増え、全国で350万人の高齢者があてはまると推計される。

 ただ、栄養摂取や運動をすることで、健康な状態を取り戻せる。健診を活用すれば、要介護になる人を減らすなど、介護予防の効果が期待できよう。

 健診では、「半年間で2~3キロ以上の体重減少があったか」「3食きちんと食べているか」「普段から家族や友人と付き合いがあるか」といった質問に答えてもらい、フレイルかどうか判断する。

 従来の介護予防は、主に運動機能の回復に重点を置いていた。これに対し、フレイル健診は、生活習慣や社会的な活動状況なども調べ、より多面的に、心身の衰えの原因を探るのが特徴と言える。

 重要なのは、健診結果を基に、適切な改善指導を行うことだ。

 保健師が、体力に応じたウォーキングや筋力トレーニングなどの運動を助言する。管理栄養士が、肉や魚などたんぱく質を摂取しやすい献立を提案する。個々のお年寄りの状況に合わせた、きめ細かなアドバイスが欠かせない。

 健診を実施する市区町村は、必要な医療専門職の人員確保に努めてもらいたい。

 フレイル状態の悪化を防ぎ、再び健康に導くには、社会参加を促すことも効果的である。

 全国の市区町村では、お年寄りが歩いて通える公民館などで体操や茶話会を実施する「通いの場」を設けている。大分県豊後高田市は、市内の商店街で、高齢者が子供たちと一緒に食事をする「ふれあい食堂」を定期的に開く。

 こうした場に参加して、適切な生活のリズムを身につけることができれば、健康寿命を延ばせるだろう。社会とのつながりが薄れがちな一人暮らしのお年寄りへの働きかけも忘れてはならない。

 フレイル健診の導入に合わせ、高齢者の健康データの扱いも変わる。現在は75歳を境に、データの所管は、市区町村から都道府県単位の広域連合に移るが、来年度以降は、75歳以上のデータも市区町村が一体的に利用できる。

 高齢者が健やかに暮らせる期間が少しでも長くなるように、データを有効活用してほしい。

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905673 0 社説 2019/11/19 05:00:00 2019/11/19 05:00:00

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