歴代最長政権 惰性を戒め政策で結果示せ

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 長期政権ゆえの惰性に陥ってはならない。足元を見つめ直し、政権運営にあたるべきだ。

 安倍首相の通算在職日数が20日で2887日となる。戦前の桂太郎氏を抜いて、憲政史上最長を更新する。

 2012年に政権に復帰して、推し進めたのが経済政策「アベノミクス」である。大胆な金融緩和や機動的な財政出動により、景気を回復軌道に乗せた。

 集団的自衛権の限定的行使を認めた安全保障関連法を15年に成立させ、日米同盟を強化した。自国第一主義のトランプ米大統領とも信頼関係を築いた。

 読売新聞の世論調査では、65%が仕事ぶりを評価している。経済政策や外交の実績が国民の支持につながったのだろう。

 自民党内に強力なライバルが見あたらず、首相の党内基盤は固い。国政選挙で連勝したのは、多弱の野党に助けられた面もある。

 長く政権の座にあった歴代の首相も困難な課題に取り組んだ。

 佐藤栄作氏は、米国と交渉を重ね、沖縄返還を成し遂げた。中曽根康弘氏は、戦後政治の総決算を掲げ、日米安保協力を強化し、国鉄民営化を断行した。

 両氏とも政策目標を設定し、実現に向けて周到に策を練った。

 首相の自民党総裁としての任期は21年9月までだ。残りの任期で、どんな政策を手がけるのか。自らの考えを明確にし、戦略を立てて臨むことが重要である。

 憂慮されるのは、政権復帰から約7年が経過し、安倍内閣に綻びが目立つことだ。

 9月の内閣改造後、わずか1か月半の間に、2人の重要閣僚が不祥事で辞任した。功労者を慰労する「桜を見る会」の趣旨に反して、首相の事務所は、地元の後援会員らを多数招待していた。

 長期政権の緩みやおごりの表れと言えよう。首相は、緊張感を持って政策に取り組み、一つ一つ結果を出さなければならない。

 内政、外交の懸案は多い。22年には団塊の世代が75歳になり始める。給付費の増加に備え、社会保障制度の見直しが急務だ。

 景気回復の実感は乏しい。底堅い企業業績を賃上げにつなげ、経済の好循環を実現したい。

 北朝鮮の非核化には、米国との緊密な政策協調が欠かせない。元徴用工問題で、韓国に粘り強く譲歩を促す必要がある。

 首相は在任中の憲法改正に意欲を示している。幅広い合意形成に向け、まずは、国会での憲法論議を活性化させることが大切だ。

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907774 0 社説 2019/11/20 05:00:00 2019/11/20 05:00:00

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