米軍の規則違反 同盟の信頼損なわぬ運用を

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 重大な事故につながりかねない規則違反だ。政府は米軍に対し、実効性ある再発防止策の徹底を促さねばならない。

 米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)の戦闘機部隊が、手放しでの操縦や、飛行中の読書、自撮りなどをしていたことが、米軍の報告書で分かった。薬物乱用やアルコールの過剰摂取などの事例も指摘している。

 高知県沖で昨年末、同基地所属の戦闘機と空中給油機が接触し、墜落して6人が死亡した事故を米軍が調査する過程で、明らかになった。規律の乱れは目に余る。

 米軍は、安全を軽視した飛行を行った複数の搭乗員を更迭した。飛行マニュアルの見直しや、管理態勢の改善に取り組むという。任務を適正に行うよう、隊員への教育を着実に実施すべきだ。

 報告書では、同基地の戦闘機と空中給油機が2016年4月に接触事故を起こし、沖縄県の嘉手納基地(嘉手納町など)に緊急着陸していたことも判明した。日本政府に報告していなかった。

 日米両国は、公共の安全に影響を与える事件・事故が発生した場合、米軍が速やかに日本政府に通報することで合意している。政府は、米側に事実関係や事故原因の説明を求めねばならない。

 米軍の安定的な駐留は日米同盟の根幹である。規律違反を繰り返し、適切な事故対応を怠れば、住民の無用な不安を招く。

 在日米軍を巡る問題は頻発している。米軍は、危険を伴うパラシュートによる降下訓練を嘉手納基地で行った。日米間の合意では、本来、比較的人口の少ない県北部の伊江島(伊江村)に集約することになっている。

 青森県の三沢基地(三沢市)の戦闘機は今月、民有地に模擬弾を落下させた。部品などが落下する事案は後を絶たない。

 河野防衛相は、タイでエスパー米国防長官と会談し、こうした懸案を取り上げた。「米軍の運用に地元の理解と協力は不可欠だ」と述べ、安全な部隊運用や事故の迅速な報告を求めた。

 問題が起きた場合、政府は米側に懸念を率直に伝え、改善を求めていくことが欠かせない。

 北朝鮮の核・ミサイルの脅威は減じていない。中国とロシアは軍事的な結び付きを強めており、日本海や東シナ海で、初の合同飛行訓練も実施している。

 在日米軍の抑止力の重要性は高まっている。米国は日本政府との取り決めを順守し、信頼の醸成に努めることが大切だ。

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909996 0 社説 2019/11/21 05:00:00 2019/11/21 05:00:00

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