ヤフー・LINE 危機感が後押しした統合劇

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 国内最大のIT企業連合が誕生する。魅力あるサービスを打ち出し、厳しい競争に勝ち残っていけるかが問われよう。

 「ヤフー」を運営するZホールディングス(HD)と、無料通信アプリのLINEが経営統合で基本合意した。来年10月の実現を目指す。

 検索、SNS、ネット通販、スマートフォン決済などを幅広く手がける「巨大プラットフォーマー」となる。米中のIT企業が攻勢を強めていることへの危機感が、再編を後押ししたと言える。

 ZHDの川辺健太郎社長は記者会見で、「米中に次ぐ第3極になりたい」と抱負を語った。

 ヤフーはネット通販や金融などに強い。LINEのSNSサービスは幅広い年代に浸透し、頻繁に使われている。両社が手を組むことで、生活のあらゆる場面で利用できる「スーパーアプリ」の開発につなげる狙いがあろう。

 問題は、世界展開する海外勢との体力差が大きいことである。

 ヤフーとLINEは、AI(人工知能)分野に毎年1000億円を投資するという。

 これに対し、「GAFA」と呼ばれるグーグルやフェイスブックなどの米企業は、競争力を維持するために研究開発に年数兆円を投じている。中国企業では、バイドゥ、アリババ、テンセントの「BAT」の台頭が著しい。

 ヤフー・LINE連合が「第3極」となるには、優秀な人材や資金の確保が課題になる。

 統合が国内市場に与える影響には注意が必要だ。

 例えば、スマホ決済分野をみると、「LINEペイ」と、ヤフーの「ペイペイ」の利用者は合計で6000万人に迫る。大多数の消費者の個人情報を一つのグループが握ることには不安も残る。

 購買データなどの囲い込みが進み、新グループの力が強まり過ぎると、公正な競争環境が阻害される恐れがある。公正取引委員会は、統合の可否を慎重に審査しなければならない。

 巨大なIT企業は大量の利用者データを蓄積することで、影響力を強めている。規模が大きくなるほど、市場での支配力は飛躍的に高まる。デジタル時代に見合った統合審査を確立する上で、今回は試金石になるはずだ。

 ネット通販市場では、運営するIT企業が出店事業者に一方的に規約の変更を迫るといった例が数多く報告されている。不公正な行為がないか、公取委が監視を強めることも欠かせない。

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909997 0 社説 2019/11/21 05:00:00 2019/11/21 05:00:00

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