自治体とAI 住民サービスの向上図りたい

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 地方自治体で人工知能(AI)の活用が広がっている。人口減少に伴う職員不足を補い、住民サービスの向上につなげることが大切である。

 福島県会津若松市は、スマートフォンなどを使って市民が問い合わせると、AIが自動応答するシステムを導入している。

 冬季には、除雪車の位置情報を教えてくれるので、利用者は自分の住む地域がいつ頃除雪されるかを予測できる。休日に「病気になった」と打ち込めば、その日診療する医療機関が表示される。

 休日や夜間でも問い合わせが可能だ。閉庁時にも利用できるのは住民にとって心強いだろう。

 さいたま市は保育所の入所者調整で、選考ルールを学習したAIを使い、延べ1500時間を要していた作業を数秒に短縮した。

 選考結果を保護者に早く連絡することで、入所できなかった家庭は別の保育所を早めに探し始められるメリットが期待できる。

 ただ、こうした取り組みには自治体間で濃淡がある。

 総務省によると、AIを業務に導入している自治体は政令指定都市で約60%だったが、その他の市区町村は約4%にとどまった。市区町村の7割は導入予定がなく、検討もしていなかった。

 首長や議会の関心度に差があることが要因の一つとみられる。

 総務省は今年度、北九州市など複数の自治体で、AI活用の実証実験を行っている。今後、導入手順をまとめたガイドブックを全自治体に配布する予定だ。

 具体的な事例や導入の効果を示し、AI活用に対する理解を広げることが欠かせない。

 懸念されるのは、各自治体がバラバラにAIシステムを開発・導入する事態だ。

 人口減少の進行で、今後は自治体が広域で連携することが予想される。その時に異なるシステムが障壁となれば、それまでの投資が無駄になりかねない。政府は将来を見据えて、AI開発の共同化に取り組むべきである。

 AIの本格導入には、多額の予算が必要となるケースも多い。共同開発で費用を抑えることができれば、予算規模の小さい自治体も導入しやすくなるだろう。

 忘れてはならないのは、住民サービスの基本は、職員によるきめ細かな対応であるという点だ。

 複雑な事情が絡み、AIに処理しきれない問題も少なくない。自治体はAI活用と合わせ、住民の目線に立った丁寧な応対を職員に徹底してもらいたい。

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912114 0 社説 2019/11/22 05:00:00 2019/11/22 05:00:00

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