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与党の税制論議 民間資金引き出す有効策を

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 企業がため込む資金の活用は、日本経済の再生に欠かせない。税制で後押しする有効策を練ってもらいたい。

 自民党税制調査会が、2020年度の税制改正に向けた論議を本格的に始めた。公明党税調とともに、12月中旬にも税制改正大綱をまとめる。

 今年、新たに自民党税調の会長に就任した甘利明氏は、成長を重視する「商工族」だ。経済再生相としてアベノミクスを推進した知見を生かしてほしい。

 甘利氏が意欲を示しているのは、内部留保を使った投資を企業に促す税制改正だ。民間に眠っている資金を投資に誘導していく。その方向性は評価できる。

 企業の内部留保は、18年度末で460兆円を超える。このうち、現預金は約240兆円に上り、12年度より約50兆円も増えた。

 08年のリーマン・ショック後、トヨタ自動車や日立製作所などの主要企業でさえ巨額赤字を計上した。景気の急変に備え、現金を確保する企業が多いのだろう。

 だが、企業の利益が、賃上げや成長分野への投資に回る好循環を実現しなければ、民需主導の自律的な成長は望めない。

 自民党税調は、大企業が新興企業を合併・買収(M&A)する際、法人税を軽減する措置を検討する。大企業の余剰資金を技術力の高い新興企業に振り向け、研究開発を活性化する狙いは分かる。

 日本が立ち遅れる最先端のデジタル分野のほか、創薬や新素材などが主な対象となりそうだ。

 問題は、制度設計である。

 企業向けの投資減税はすでにあるが、日本企業の研究開発投資の伸びは鈍い。M&A減税でどれだけ投資が増えるか、未知数だ。

 対象とするM&Aの範囲が広すぎれば、単なるバラマキに終わる恐れがある。経済活性化に資する投資に絞らねばならない。新興企業の買収額が適正かどうか、点検する必要もあろう。

 家計が保有する現預金も増加を続け、1000兆円に迫る。

 自民党税調では「貯蓄から投資へ」の動きを支援するため、個人型確定拠出年金(イデコ)の拡充などを検討する。

 若年層に老後のための資産形成を促す意味もある。家計が投資に前向きになれるよう、税調で論議を尽くしてもらいたい。

 検討課題には、減税策が並んでいるが、安易な大盤振る舞いは避けねばならない。厳しい財政事情を踏まえ、負担増に関する視点も持つべきではないか。

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914777 0 社説 2019/11/24 05:00:00 2019/11/24 05:00:00

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