入管収容長期化 確実な送還可能にする対策を

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 全国各地の入国管理施設で、在留資格のない外国人の収容が長期化している。是正する手立てを講じねばならない。

 今年6月末現在、収容されている1253人のうち、半数超が6か月以上の長期収容だ。3年以上にわたる人もいる。長期収容者の割合は、5年前の約3割から増えている。

 入管施設は、不法滞在などで国外退去処分となった外国人を送還するまでの間、暫定的に収容する場所だ。長期の収容が、本来の趣旨を超えた運用になっていることは間違いないだろう。

 長崎県の入管施設では、送還を拒否して3年以上収容されていたナイジェリア人男性が、拒食の末に餓死した。死者まで出るのは、正常な状況とは言えまい。

 収容者の中には、人道上のやむを得ない理由から施設外で生活できる「仮放免」を求める人が多い。一部の収容者は、体調悪化による仮放免を狙い、ハンガーストライキに及んでいる。

 ただ、仮放免の許可にあたっては慎重さが求められる。仮放免中に逃亡したり、事件を起こしたりする事例が少なくないからだ。

 出入国在留管理庁は、薬物事件などの重大な犯罪で罰せられたことがある収容者に原則、仮放免を認めていない。個々の申請内容を精査し、仮放免の妥当性を見極めることが欠かせない。

 大切なのは、出身国への送還を拒否している収容者について、正当な理由が認められない場合には、出来る限り速やかに、送還手続きをとることである。

 日本が収容者を強制的に送還しようとしても、非協力的な出身国がある。必要なパスポートを発給しない、身柄を引き渡す日程調整を円滑に進めないといったケースが見られるのは問題だ。

 法務省と外務省は連携して、こうした国に対し、送還への協力を強く働きかけるべきである。

 難民認定申請中は送還できないため、申請を繰り返す収容者も目立つ。入管庁によると、認定の見込みがないのに申請する人もいるという。難民認定制度の悪用を防ぐ対策が必要だ。

 理由なく送還を拒み続ける人に対し、何らかのペナルティーを科すことも検討課題と言えよう。

 今年4月に特定技能制度が始まり、外国人労働者の受け入れは今後、大幅に拡大する。適切な出入国管理は、その大前提である。

 入管庁の有識者会議は、長期収容問題を議論している。実効性のある防止策を探ってほしい。

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915812 0 社説 2019/11/25 05:00:00 2019/11/25 05:00:00

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