診療報酬改定 医療提供体制充実の一助に

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 医療体制の効率化を図り、必要な医療に予算を重点化する。メリハリのある対応が大切だ。

 政府は、2020年度の診療報酬の改定に向けた作業を進めている。治療や薬の公定価格にあたり、主に医師、看護師らの人件費に回る「本体」と薬代の「薬価」に大別される。年末に全体の改定率が決まる。

 薬価を引き下げ、全体の改定率がプラスにならない範囲で本体を引き上げるのが最近の傾向だ。

 団塊の世代が22年から75歳になり始める。40年頃には高齢者人口がピークを迎え、現役世代は先細りする。効率的で質の高い医療提供体制をどう構築するか。幅広く論じなければならない。

 論点の一つは、医師の働き方改革との関連だ。政府は24年度から勤務医について、残業時間の上限規制を設ける。病院は、勤務医の待遇を改善しつつ、人手を確保する必要性に迫られる。

 日本医師会は、医療機関の収入源である本体部分を引き上げるよう求めている。財務省は、患者の負担増につながるとして、引き上げに慎重な姿勢を示している。

 医師や看護師らの事務負担を軽減する目的で、事務職員の増員や業務の見直しを進める病院に対して、報酬を手厚く配分することも考慮しなければならない。

 医師の働き方改革は、診療報酬だけでなく、地域医療のあり方に踏み込んで議論すべき問題である。複数の病院による役割分担や統合を進めることで、医師を安定的に確保できよう。

 長寿化に伴い、慢性疾患を抱える患者は増える。病気を管理しつつ、質の高い生活を送るための医療を整えることも重要だ。

 手術などに対応する急性期病床は過剰となっている。報酬が手厚いことが背景にあり、症状が安定した患者も入院している。

 急性期病床として認める要件を厳格化し、リハビリなどを重視する回復期病床への移行を促すことが欠かせない。

 薬価の見直しでは、高額な治療薬の扱いが焦点の一つだ。

 公的医療保険では、患者の自己負担額に上限が設けられており、代金の多くは保険で賄われる。

 医療技術は急速に進展しており、超高額薬が増えれば、保険財政を圧迫しかねない。政府は、財政的な影響も加味して、保険適用の是非を検討していくべきだ。

 保険制度を維持するうえで、湿布など市販品で代替可能な薬をどこまで保険給付の対象とするかも考えていく必要がある。

無断転載禁止
932110 0 社説 2019/12/04 05:00:00 2019/12/04 05:00:00

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