経済対策 効果のある事業に絞り込め

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 災害への対応と景気の底上げに必要な施策は何か。危機的な財政状況の中、予算の使い道を精査することが重要だ。

 政府が経済対策を閣議決定した。事業規模は約26兆円となった。「アベノミクスの加速」を名目に、約28兆円に達した2016年の経済対策に匹敵する。

 国の財政支出は約7・6兆円だ。19年度補正予算と20年度当初予算に分けて計上し、「15か月予算」として編成する。財政投融資や地方の支出を含めた財政措置の総額は約13・2兆円に及ぶ。

 経済対策を策定するのは、台風被害が相次いだほか、消費増税や海外経済の減速リスクを背景に景気の悪化懸念が出ているためだ。20年東京五輪・パラリンピック後の成長持続も目指す。

 安倍首相は、「機動的かつ万全の対策とする」と強調した。

 切れ目ない対策で、景気の下支えを図る狙いは理解できる。

 特に、激甚化する災害への対応は喫緊の課題である。

 被災地の復旧、ダムや堤防の増強、川底の掘削など、国民の生命や財産を守る施策に着実に取り組むべきだ。費用対効果や緊急度なども勘案しながら、効率的に社会資本整備を進めていきたい。

 一方、対策の規模や中身が適正かどうかは、詳細な点検が欠かせまい。政府は景気について、「緩やかに回復している」との判断を維持している。

 消費増税による景気への影響も、まだ検証できていない。

 なぜこの時期に巨額の経済対策を講じるのか。政府は、丁寧に説明してもらいたい。

 対策に盛り込まれた中小企業のデジタル化支援や農業の生産基盤強化は、過去の予算にも計上された。これまで何が足りなかったのか点検が必要だ。従来施策の焼き直しや、不要不急の事業がないか、厳しく査定せねばならない。

 消費増税対策であるキャッシュレス決済のポイント還元制度も、予算を上積みする方向という。

 消費刺激とキャッシュレス普及を同時に目指す異例の政策だ。大幅に増額するのなら、キャッシュレスを利用できない人の不公平感や、消費促進の効果を改めて確認するべきではないか。

 大規模な経済対策の一方で、19年度の税収は当初見込みを下回る見通しとなっている。国の借金が1000兆円を超える厳しい財政事情を忘れてはならない。

 25年度に基礎的財政収支を黒字化する財政再建目標の達成に向けて、歳出改革が急がれる。

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935399 0 社説 2019/12/06 05:00:00 2019/12/06 05:00:00

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