20年度予算案 「100兆円」は持続可能なのか

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 政府の2020年度予算案が決まった。一般会計の総額は102・7兆円で、過去最大だった19年度より1・2兆円増えた。当初予算での100兆円超えは2年連続である。

 今回は、経済対策のための臨時措置として1・8兆円を計上しているとはいえ、予算の膨張を漫然と続けるわけにはいくまい。財政規律をいかに引き締め直すか、課題を残したと言えよう。

 歳出の3分の1を占める社会保障費は、前年度比1・7兆円増の35・9兆円に達した。高齢化による自然増のほか、幼児教育・保育や高等教育の無償化の費用がかさみ、これまでで最大となった。

 22年から団塊世代が75歳以上の後期高齢者になり始め、社会保障費の増加は加速する。持続可能な社会保障制度の実現に向け、改革を急ぐ必要がある。

 公共事業費は、前年度並みの6・9兆円を確保した。橋や道路などの老朽化対策や、ダムや堤防の増強、川底の掘削など、災害復旧と防災に重点的に取り組む。

 人命に直結するインフラの改修や整備は優先すべきだ。だが、国土強靱きょうじん化に名を借りた不要不急の事業は避けなければならない。予算審議で精査してもらいたい。

 20年度の税収は、前年度当初より1兆円多い63・5兆円を見込んだ。10月の消費増税などで押し上げられ、過去最高となった。

 気がかりなのは、税収の前提となる成長率について、政府が実質で1・4%と、民間予想を大きく上回る楽観的な見通しを示していることだ。それでも国債の新規発行額は32・6兆円に上る。

 19年度の税収は当初の見込みから2・3兆円程度下方修正され、赤字国債の追加発行を余儀なくされた。税収は、手堅い経済予測をもとに見積もるべきである。

 国と地方の長期債務残高は1100兆円を超え、国内総生産(GDP)の2倍程度と、主要国で最悪水準だ。政府は25年度に基礎的財政収支の黒字化を目指すが、改革が進まなければ、2・3兆円の赤字が残ると試算される。

 安倍首相は7月、消費税の再増税について、「今後10年くらいは必要ない」との認識を示した。だが、厳しい財政事情を考えれば、消費税率のさらなる引き上げを封印できる余裕はなかろう。

 幸い、国内の雇用は安定し、政府は「緩やかに回復している」との景気判断を維持している。

 今のうちに、本格的な歳入・歳出改革に着手しなければ、財政再建は遠のくばかりである。

無断転載禁止
963639 0 社説 2019/12/21 05:00:00 2019/12/21 05:00:00

ピックアップ

読売新聞購読申し込み_東京2020オリンピックパラリンピックキャンペーン

アクセスランキング

 


東京オリンピックパラリンピックオフィシャル新聞パートナー

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
The Japan News
発言小町
OTEKOMACHI
ささっとー
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
挑むKANSAI
読売新聞社からのお知らせ