偽ニュース 自主対策で政府の介入避けよ

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 正確で信頼できる情報は、国民が適切な判断を下すために不可欠だ。

 総務省の有識者会議はネット上のフェイク(偽)ニュース対策などを盛り込んだ最終報告書案を示した。

 SNSなどを運営するIT企業に対し、自主的な取り組みを促すことが柱となる。

 偽ニュースが拡散すれば、ネット空間の言論の信頼性を損ない、国民の知る権利を阻害する。社会の分断を招く恐れもある。対策を講じる狙いは理解できる。

 報告書案は、憲法が保障する「表現の自由」に配慮して、「個別の内容判断に関わるものについては、政府の介入は極めて慎重であるべきだ」と明記した。

 その上で、「民間部門における自主的な取り組みを基本とした対策を進めていくことが適当」と指摘した。方向性は妥当である。

 いかなる形であっても、法律で言論を規制すると、公権力の判断次第で、正当な表現活動にまで制限が及びかねないからだ。

 将来的にも政府の介入を招かないためには、IT業界自らが社会基盤を担う責任の重さを自覚し、対応しなければならない。

 米国やフランスの大統領選などでは、偽ニュースが選挙に影響を与えたと言われている。民主主義の根幹に関わる事態だ。日本にとっても人ごとではない。

 問題は、ニュースが虚偽かどうか、判別が難しい点である。悪意に基づく発信もあれば、政治的な主張の違いなども考えられる。

 まずは、IT業界や専門家らが中心となり国内での偽ニュースの実態把握を急ぐ必要がある。

 報告書案は、IT企業などを集めたフォーラムを設け、情報共有を進めることを提唱した。関係業界が連携し、知恵を絞りたい。

 IT企業には透明性の高い運営が求められる。どんな基準で情報の掲載順位を決めたり、情報を削除したりしているのか明示すべきだ。外部からの苦情に迅速に対応できる体制整備も欠かせまい。

 報告書案はまた、海外企業に対し、「通信の秘密」を守るよう定めた電気通信事業法の規定を適用する方針を示した。

 利用者の同意なくメールなどの通信内容を把握したり、第三者に漏らしたりすることを禁じる。

 違反すれば、国内企業と同様に行政処分の対象にする。ユーザー保護の観点からは当然だろう。

 有識者会議は一般から意見を募り、来月にも最終報告を取りまとめる予定にしている。慎重な検討が求められよう。

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964892 0 社説 2019/12/22 05:00:00 2019/12/22 05:00:00

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