テレワーク 普及への課題どう克服するか

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 情報通信技術を活用して、会社の外で働くテレワークが徐々に広がりを見せている。

 「在宅勤務」のほか、出先で仕事をする「モバイルワーク」、会社が社外に用意した場所で働く「サテライトオフィス」などがある。柔軟な働き方の選択肢と言えよう。

 政府は2020年東京五輪・パラリンピックの混雑緩和対策として、普及に力を入れている。

 大会期間中の観客は1000万人を超え、鉄道利用者は1割増えると予想される。テレワークにより通勤する人が減れば、混雑解消の一助になるのは間違いない。

 12年ロンドン大会では、企業の約8割がテレワークや休暇取得などの対策をとり、効果を上げたという。日本でも、企業や官公庁の積極的な取り組みが望まれる。

 大切なのは、テレワークを五輪対策という一過性の取り組みで終わらせないことだ。

 今夏に約2900の企業や団体が参加した社会実験では、テレワークを評価する声が多かった。

 企業側では、残業時間の減少や、紙資料の大幅削減による業務の効率化といったメリットがあった。従業員側も、通勤による疲労がなくなり、家族との時間を増やすことができたという。

 テレワークを上手に活用すれば、仕事と育児や介護との両立がしやすくなる。離職防止や人手不足解消にもつながるだろう。

 ただ、普及には課題も多い。

 社外での仕事には、情報漏えいのリスクがつきまとう。社外用のパソコンの配備や情報セキュリティー強化は欠かせないが、企業にはコスト増を招く。機密性の高い情報を扱う仕事は対象外とするなどの対策が求められる。

 労務管理も重要である。仕事とプライベートの境界があいまいになれば、かえって長時間労働につながりかねない。テレワークに従事する社員の勤務状況を把握し、仕事ぶりを評価する仕組みを整備しなければならない。

 上司や、会社にいる同僚とのコミュニケーションを維持する方策も検討する必要がある。

 精密機器大手のリコーでは、テレワークを行う社員がその日の仕事の計画や結果を上司に報告し、会社での会議や取引先との商談にはテレビ会議で参加している。

 経済団体の調査では、テレワークを導入していない企業の7割が「適した仕事がない」と回答している。個々の会社が実情に合わせて、仕事の進め方や内容を見直すことから始めてはどうか。

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966060 0 社説 2019/12/23 05:00:00 2019/12/23 05:00:00

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