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大阪都構想 住民の判断材料を明確にせよ

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 行政の枠組みを変えることが、地域の将来にどう役立つのか。住民に重い選択を求める以上、丁寧に説明していくことが欠かせない。

 大阪市を廃して特別区に再編する大阪都構想を検討していた大阪府・市による法定協議会が、制度案の大枠を決めた。

 4特別区の概要などを定めており、今秋の住民投票にかける制度の土台が固まったことになる。賛成多数となれば、2025年1月から特別区に移行する。

 地域政党・大阪維新の会が推進する都構想は15年の住民投票で否決された。維新が昨春の府知事・市長のダブル選を制したことで、再挑戦への道が開けた。

 制度案によると、都市整備や産業振興などの広域的な施策は府が担う。特別区は公選の区長と区議を置き、窓口業務や子育て支援など身近な行政サービスを担う。

 役割分担を明確にし、行政の効率化とサービスの充実を図る狙いがある。府と市は、10年間で最大1・1兆円の歳出削減が見込めると試算している。

 今ある24の区役所は残し、住民の利便性を落とさないようにするという。各特別区に児童相談所を設置する方針も盛り込んだ。

 残念なのは、構想の利点ばかりが強調され、疑問点について議論が尽くされていないことだ。

 歳出削減効果の試算方法には異論もあり、効果は限定的だとの指摘も少なくない。

 11年以降、維新が府と市のトップを担うことで、研究所の一本化など、行政の効率化が一定程度、進んでいるのも確かである。

 都構想を実現するには、システム改修や一部庁舎の整備などで、数百億円の費用がかかる。多額のコストに見合う効果が見込めるのか。精密な分析が欠かせまい。

 制度案では、大阪市の年約8600億円の財源は、府に約2000億円、4特別区に約6600億円配分する方針だ。特別区の設置後10年間は、府から特別区に毎年計20億円を追加配分する。

 予算の使途は、特別区、区議会が判断することになる。現状の住民サービスが維持されるのか、市民には不安視する声もある。

 明治以来の歴史を持つ大阪市に愛着を持つ市民も少なくない。

 府と市は今春、住民向けの公聴会を行う。維新代表の松井一郎市長は制度説明の場とし、意見表明は基本的に受け付けないとしている。こうした対応はいかがなものか。維新には、住民の疑問と不安に向き合う姿勢が求められる。

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983464 0 社説 2020/01/05 05:00:00 2020/01/05 05:00:00

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