ゴーン被告逃亡 逃げ得を許してはならない

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 日本の司法制度をないがしろにする行為であり、断じて容認できない。

 特別背任などの罪で起訴され、裁判を前に保釈されていた日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告が無断で日本から出国し、中東レバノンに逃亡した。

 逃亡後に出した声明では「不正と政治的迫害から逃れた」と主張した。日本の司法制度を「有罪が前提で差別が蔓延まんえんしている」などと批判もしている。

 ルールを破った揚げ句の一方的な言い分だ。ゴーン被告には犯罪の嫌疑があり、法に基づいて起訴された。自らの主張は、公判で述べるのが筋だろう。

 東京地裁は、ゴーン被告の保釈を取り消した。保釈保証金15億円は没収されることになる。

 法務・検察当局が、警察庁を通じて国際刑事警察機構に国際手配を要請したのは当然である。

 ゴーン被告はレバノン、フランス、ブラジルの国籍を持つ。レバノン当局は、入国は合法的に行われたとの見解を示している。日本とレバノンの間には犯罪人引き渡し条約が結ばれていない。

 政府はレバノン政府に対し、あらゆる外交手段を通じて身柄の引き渡しを働きかけるべきだ。

 ゴーン被告は、昨年12月29日に関西空港からプライベートジェットで出国し、トルコ経由でレバノン入りした可能性が指摘されている。出国記録はなく、違法な手段で日本を離れた可能性が高い。

 誰が、どのように出国を手助けしたのか。経緯の徹底した解明が欠かせない。空港での出国審査に穴がなかったのかについて、入管当局は検証しなければならない。トルコやレバノン当局にも、協力を要請する必要がある。

 そもそもゴーン被告が保釈を認められたのは、海外渡航禁止に加え、パソコンの使用制限や住居への監視カメラ設置などの厳しい条件が評価されたためだ。弁護団は「逃亡はあり得ないシステムを提示した」と自賛していた。

 条件を守らせることができず、結果としてゴーン被告の海外逃亡を許した。弁護団の責任は極めて重いと言うほかない。

 ゴーン被告の裁判は、今春にも始まる予定だった。被告不在では裁判が開けず、一緒に審理される予定になっていた日産や元代表取締役のグレッグ・ケリー被告の裁判にも影響が出る恐れがある。

 逃げ得を許しては、裁判における真相解明に支障が生じる。日本の司法への信頼が損なわれ、法秩序も揺らぎかねない。

無断転載禁止
983470 0 社説 2020/01/05 05:00:00 2020/01/05 05:00:00

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