首相年頭会見 内外の課題に適切な対処を

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 安倍首相が、三重県伊勢市で年頭の記者会見に臨んだ。直面する内政、外交の課題に的確に対処して、成果を上げなければならない。

 首相は社会保障制度改革について、「全ての世代が安心できる制度に改革する。これが本年最大のチャレンジだ」と述べた。

 深刻な少子高齢化に対応し、制度の持続可能性を高めることが重要だ。高齢者に偏ってきた給付を改め、現役世代の負担増を抑える見直しは避けられない。

 政府は通常国会に、厚生年金の適用対象をパート労働者らに広げる法案を提出する。非正規で働く人は、将来の低年金や無年金が心配される。厚生年金への加入で不安を和らげる意義は大きい。

 企業に70歳までの就業機会の確保を促す関連法案もある。社会保障の「支え手」を増やすための施策は、理にかなう。政府・与党は早期成立を図らねばならない。

 首相は憲法改正論議について「改正原案の策定を加速させたい」と述べた。与野党は衆参の憲法審査会を速やかに開催し、憲法の本質的な議論を始めるべきだ。

 首相は、東京五輪・パラリンピックの円滑な開催を目指す方針を強調した。世界的なイベントはテロやサイバー攻撃の標的となりやすい。政府と民間企業は協力し、万全の対策を取る必要がある。

 現行の日米安全保障条約は、間もなく締結から60年を迎える。首相は「日米同盟は今なお外交・安保政策の基盤だ」と強調した。

 米軍駐留経費の負担に関する日米間の特別協定の期限は、来年切れる。今年行われる改定交渉で、トランプ米政権が一層の負担増を求めてくるとの見方がある。

 日本が基地を提供することで、米国はアジア・太平洋地域で安保上、優位な立場を保っている。経済的な利益も享受していよう。政府は、そうした事実を米国に丁寧に訴えていくことが大切だ。

 米国とイランの対立激化で、緊迫の度を増している中東情勢には、細心の注意が要る。

 日本は原油輸入の約9割を中東に依存する。事態が悪化して輸入が滞れば、経済への影響は計り知れない。首相は「緊張緩和のため外交努力を尽くす」と語った。

 政府は海上自衛隊の部隊を中東に派遣する。護衛艦などがオマーン湾やアラビア海北部などで、情報収集任務にあたる予定だ。

 日本が、海上交通路の安全確保に貢献するのは当然だろう。海自は現地の情勢を見極め、円滑な活動を目指すべきである。

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987161 0 社説 2020/01/07 05:00:00 2020/01/07 05:00:00

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