ゴーン被告会見 主張があるなら法廷で語れ

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 これまでの自らの言い分を繰り返しただけで、新味に乏しい内容だ。

 特別背任などの罪で起訴され、保釈中に国外逃亡した日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が、逃亡先のレバノンで初めての記者会見を開いた。

 ゴーン被告は、「(事件は)日産に画策された」と強調した。逃亡の理由について「日本では公正な裁きを受けられず、ほかに選択肢はなかった」と語り、日本の司法制度への批判を重ねた。

 根拠が薄い、身勝手な主張である。国外逃亡を正当化する理由にならないのは明らかだ。

 ゴーン被告の会見を受け、森法相は2度にわたって記者会見を開いた。「我が国の法制度や運用について誤った事実を殊更に喧伝けんでんするもので、到底看過できない」と述べたのは当然である。

 法務省はホームページで、法相のコメントを日本語のほか、英語やフランス語で掲載した。日本の司法制度が公正に機能していることを理解してもらえるよう、説明を尽くすことが欠かせない。

 ゴーン被告は会見で、保釈中に妻との接触が原則禁止されていたことに、強い不満を示した。

 妻は、ゴーン被告が起訴された特別背任事件で、日産の資金が流出した疑いが持たれている会社の代表を務めていた。事件関係者であり、自由な接触を許せば証拠隠滅が行われる可能性が高かった。面会制限はやむを得ない。

 ゴーン被告の勾留は計130日に及び、会見で「独房に入れられ、長い間身柄を拘束された」と不当性を訴えた。しかし、日本では勾留の必要性を裁判所が厳正に判断しており、批判は当たらない。

 今回の会見では、日本のメディアの大半が参加を拒否された。意に沿わないメディアを意図的に排除したとすれば、ご都合主義以外の何ものでもない。

 注目されていた逃亡の経緯について、ゴーン被告は詳細を語らなかった。ただ、警視庁などの捜査で、複数の外国人が協力し、保安検査が手薄な空港が狙われた経緯が明らかになりつつある。

 出国手続きを厳格化するなどの対策を講じる必要がある。

 ゴーン被告は今後、自らの嫌疑を晴らす証拠を出すとの考えを示した。主張したいことがあるのなら、日本に戻り、公開の法廷で正々堂々と語るべきだ。

 裁判で真相を解明するためにも、日本政府はレバノン政府に対し、身柄の引き渡しを求める働きかけを続けねばならない。

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993193 0 社説 2020/01/10 05:00:00 2020/01/10 05:00:00

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