子供の貧困対策 切れ目のない援助で支えよう

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 生活が苦しい家庭の子供も、衣食住に困ることなく成長できる。そのための環境を自治体や地域が連携して整えたい。

 政府が、子供の貧困対策に関する大綱を5年ぶりに改定した。家庭だけに責任を委ねるのではなく、社会全体で取り組む必要性を強調した。

 政府の統計によると、日本の子供の相対的貧困率は2015年で13・9%だ。年間所得が国民の中央値の半分(122万円)に届かない家庭の子供の割合を示す。景気回復で12年調査から改善したとはいえ、なお高い水準にある。

 バランスが取れた食事を取れず、学用品の購入に苦労する子供も少なくない。落ち着いて勉強できる生活環境にないため、進学や就職でも不利になりかねない。

 親から子へと受け継がれる貧困の連鎖を断ち切らなければならない。すべての子供が希望を持てる社会を作ることは、国の活力維持にもつながろう。

 新大綱は、妊娠・出産期から子供の自立まで、切れ目のない支援を打ち出したのが特徴だ。

 乳幼児を抱え、苦しい生活を強いられている親を把握し、生活全般を支援する。小中学生の給食費補助や、高校中退を予防するための相談体制の充実などを盛り込んだ。着実な実施が求められる。

 市町村では、教育委員会や福祉部門など、子供を担当する部署が複数にまたがる。成長段階ごとに、支援が途切れがちとされる。縦割りを排することが大切だ。

 子供が置かれている現状を的確に把握し、きめ細かい支援策を講じることが欠かせない。

 特に配慮が必要なのは、母子家庭を中心とするひとり親世帯だ。国の調査によれば、過去1年間に食料を買えない経験があった人は約35%に上った。

 ひとり親について、安定した収入を得られるよう、職業紹介や技術習得などを後押しする施策を充実させていくべきである。

 与党は税制改正大綱で、所得税を軽減する「寡婦控除」を、未婚のひとり親にも適用することを決めた。これまでは、婚姻歴のある人のみが対象だった。

 母子家庭の約1割を未婚の母が占める。時代の変化に合わせた現実的な対応と言えよう。

 子ども食堂の運営など、子供を支援する活動を続ける民間団体の約6割は資金難にある。支援の担い手が不安定な状態にあるようでは心もとない。民間団体の財政基盤を安定させるため、政府は支援策の拡充を検討すべきだ。

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995243 0 社説 2020/01/11 05:00:00 2020/01/11 05:00:00

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