センター試験 課題踏まえ新テストの構築を

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 今回で最後となる大学入試センター試験が、18日から始まる。来年からは大学入学共通テストに衣替えする。

 迷走の続く入試改革には、31年間の実績と課題を踏まえた仕切り直しが欠かせない。

 1990年に共通一次試験を受け継いでスタートしたセンター試験は、私大の参加に道を開いたのが特徴だ。参加大学は年々増加し、今年は計858校に上る。

 試験会場が増加し、出願の選択肢が広がった点で、受験生の利便性が向上したと評価できる。

 難問奇問を排した良問が多く、高校で学ぶ知識の定着を測るテストとして、一定の役割を果たしてきた。2006年度には英語のリスニングが導入された。高校の現場にリスニング指導を浸透させる契機になったのは間違いない。

 一方で、センター試験の肥大化に伴う弊害も目立ってきた。受験生は約55万人に達し、学力の幅は広がった。一斉試験の問題は全ての受験生に目配りした結果、難関大を志望する受験生には易しすぎるとの批判がついて回った。

 与えられた選択肢から正解を選ぶマークシート式では、深い思考力や表現力、英語の「話す力」や「書く力」は十分に測れない、といった指摘も強まった。

 何らかの見直しは避けて通れなかったと言えよう。

 来年から実施される大学入学共通テストは、表現力を問うため、国語と数学に記述式問題を導入し、「読む・聞く・話す・書く」の4技能を英語民間試験でみる予定だった。ところが、実施態勢が整わず、見送りとなった。

 結局、試験の方式はほとんど変わらない。せめて、複数の資料を比較して考えさせるような問題を工夫し、受験生の思考力を見極める内容にするしかあるまい。適切な難易度の設定も必要だ。

 文部科学省の有識者会議は、大学入試改革の再検討を始めた。

 15日の初会合では、「共通テストと各大学の個別試験は車の両輪だ。全てを共通テストに盛り込もうとしたことが今回の混乱の一因ではないか」との意見が出た。

 大学入試でどのような学力を問うのか。まずその点をしっかり確認した上で、共通テストと個別試験の特性と限界を踏まえて、それぞれのテストの活用方法を丁寧に検討する必要がある。

 思考力や表現力を重視した新学習指導要領で学んだ生徒が、大学入試に臨むのは24年度になる。身に付けた力を的確に測る入試制度を構築することが求められる。

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1006042 0 社説 2020/01/18 05:00:00 2020/01/18 05:00:00

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