民事裁判IT化 うまく活用し利便性の向上を

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 IT技術を上手に活用して、司法の利便性を高める改革を進めることが大切である。

 民事裁判のIT化を目指し、東京や大阪など8地裁と知財高裁が、インターネットを使った「ウェブ会議」を導入した。今後、全国の裁判所に順次広げる予定だ。

 裁判所と弁護士事務所をインターネットでつなぎ、カメラ付きパソコンで裁判官と原告・被告の代理人弁護士が、お互いを画面上で見ながら協議する。非公開の争点整理手続きで活用する。

 弁護士や訴訟当事者が裁判所に足を運ぶ必要がなくなるため、日程調整がしやすくなる。ネット上のデータ管理サービスを利用し、画面上で裁判の争点表や和解案の書面を作成することも可能だ。

 裁判が迅速化され、使い勝手も良くなる効果が期待できよう。

 日本の民事裁判では、1審の平均審理期間は9か月で、証人尋問などを実施した場合は21か月を要する。書面は原則、紙での作成が義務づけられ、訴状を裁判所に持参したり、裁判所から関係書面を郵送したりする手間もかかる。

 政府は、今回のウェブ会議を全面IT化への第1段階と位置づける。第2段階では、口頭弁論や証人尋問もネットを通じて出来るようにする。最終的には、訴状や準備書面など全ての書面をネットでやり取りすることを目指す。

 司法の手続きにデジタル技術を取り入れていくのは、時代の要請と言えるだろう。

 訴訟手続きのIT化は、米国やシンガポール、韓国などで進む。世界銀行が昨年公表した「ビジネスのしやすさ」ランキングの裁判分野で、日本は50位だった。経済界から、裁判のIT化への要望が高まっているのはうなずける。

 ただ、全面IT化に向けた課題は少なくない。

 民事訴訟では、原告や被告に弁護士がつかない訴訟が約半数を占める。IT機器やネットの利用に不慣れな人への配慮は不可欠だ。司法手続きから排除されることがあってはなるまい。

 情報セキュリティー対策も重要だ。訴訟記録には、個人情報や企業秘密が含まれる。サイバー攻撃を受けて情報が漏えいすれば、当事者が被害を受けるだけでなく、司法への信頼も損なわれる。

 これまで裁判官は、法廷で直接、証人と向き合い、表情なども合わせて証言内容を吟味してきた。こうした裁判の良さを踏まえつつ、どのようにIT技術で効率化を図るか、知恵を絞りたい。

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1041250 0 社説 2020/02/07 05:00:00 2020/02/07 05:00:00

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